舊日本軍が中國侵略時に遺棄した毒物による傷害事故を調査するため、中國?日本の弁護士で構成された弁護士団のメンバーが、10日から次々と吉林省敦化市に到著した。弁護士団は遺棄化學兵器により同市で子供2人が負傷した事件について、初めて事実関係の調査を行う。
弁護士団は中國人1人、日本人4人で構成される。リーダーは「中國人戦爭被害者賠償請求弁護士団」の副団長を務める南典男弁護士。一行は化學兵器による被害者とその家族の求めに応じて現地入りした。中國人の蘇向祥弁護士が記者に明かしたところによると、弁護士団は昨年7月に起きたイペリットガス(マスタードガス)漏えい事故で負傷した子供2人の具體的狀況について、調査と証拠収集を行うとともに、被害者の現在の治療情況や回復狀況をより詳しく調べる予定。調査期間は3日間。
吉林省敦化市のイペリットガス漏えい事故は昨年7月23日に起きた。被害にあった子供2人は事故當日、同市郊外の大山鎮蓮花泡林場で遊んでいたところ、遺棄されていた舊日本軍の化學兵器から漏れ出したイペリットガスを浴び、負傷した。現在のところ、イペリットガスによるダメージを回復させることのできる治療薬は見つかっておらず、一度ガスを浴びると癥狀や痛みが一生にわたって殘るケースが多いという。
「2人の子供が完全に健康を回復できず、今後の生活が大きく影響されてしまうことが一番心配だ」と蘇弁護士は語る。また、舊日本軍の遺棄した化學兵器による中國人の傷害事故が、日本の一般市民にはほとんど知られていないことを指摘。こうした調査を通して日本人に真相を知らせることも調査目的の一つであると述べた。
「人民網日本語版」2005年12月11日