李肇星外交部長は7日午後、第10期全國人民代表大會第4回會議の記者會見で、中米関係について質問を受け、「中國の人民は今、平和発展の道をしっかりと歩んでいる。中國は永遠に平和維持と共同発展を促すパワーだ。中國の発展はいかなる國へのいかなる脅威にもならず、その反対に、世界の他國のために、ますます多くのチャンスを生み出している」と強調した。李部長はさらに、次のように述べた。
中米間の貿易総額は昨年、24.8%増の2116億ドルに達した。こうした経済?貿易協力は、両國人民に確かな利益をもたらしている。すでに中國は米國にとって、最も成長の速い輸出市場となった。中米貿易によって創出される米國內の雇用はおよそ400萬~800萬人との見積もりがある。安価で高品質な中國製品は米國の無數の消費者に利益をもたらすとともに、米國內のインフレ圧力の軽減にも役立っている。米國の家庭で飾られるクリスマスツリーの多くが、中國製の人工ツリーであることをご存知かもしれない。これも米國の環境保護に役立っている。中國は米國の大豆と綿花の最大の輸入國でもある。2004年に中國は米國産大豆1020萬トンを輸入した。これは米國の大豆輸出の43%を占める。米國産綿花も前年比2倍余りの106萬トンを輸入した。昨年はボーイング機を70機購入した。
対中貿易赤字が大きすぎると米國の人々が不満を抱いているのも確かだ。だが貿易赤字発生の原因は複雑だ。米國がボーイング機を除けば、大豆や綿花、カリフォルニア産ワイン、フロリダ産オレンジなどの輸出ばかりを望んでいることもある。より高価な製品は、「技術的価値が高い」、さらには「軍民両用」と言って輸出しない。しかし実際、何が軍用で何が民用なのか明確に言うことは難しい。たとえば、このお茶だ。わたしや姜恩柱主任委員が飲めば民用で、兵士が飲めば軍用になるが、これを明確に分けられるだろうか? したがって、どんな問題もすべて政治化する、というのは避け、やはり世界貿易機関(WTO)のルールに沿って処理するのが良い。中國は決して貿易黒字を求めているわけではないく、引き続き積極的な措置を講じて、貿易不均衡の問題を一歩一歩解決していきたいと考えている。
米國の人々が抱くもう1つの不満は、知的財産権の保護の面で、中國側の措置が不十分というものだ。実際には、われわれも権利侵害問題の被害者だ。中國は知的財産権の保護を特に重視している。これは中米両國が交流と協力を進めるべき共通點と言えよう。中國はすでに立法、司法、法執行(取り締まり)、教育など多くの面から、知的財産権の保護を強化した。2005年に中國全國の工商行政管理部門が調査?処分した商標権侵害案件は3萬9千件以上、裁判所が受理した知的財産権侵害案件は3500件を超える。
米國が中國側の懸念に真摯に対応し、対中技術輸出規制を緩和し、正常な貿易協力に影響をきたす議案の通過に反対し、両國の経済?貿易関係の健全な発展を共に促すことを望む。
われわれが喜び、勇気づけられたのは、昨年、胡錦濤國家主席とブッシュ大統領が、21世紀の両國の建設的協力関係の全面的な推進について、重要な共通認識を形成したことだ。経済?貿易?テロ対策?不拡散?朝鮮半島核問題?イラン核問題?國連改革?鳥インフルエンザ対策などの重要分野における両國間の協調と協力は、大きな効果を上げた。これは両國にとって有益であるとともに、地域と世界の平和?安定?発展にとっても有益だ。
両國には幅広い共通利益がある。雙方が共に努力し、3つの共同コミュニケの原則に沿って物事を処理しさえすれば、10年、20年後、両國の友好協力関係には、さらに豊かな成果がもたらされるだろう。
「人民網日本語版」2006年3月8日