黃河水利委員會は2002年から、デジタル技術を応用して黃河の治水作業を行う「デジタル黃河」のプロジェクトを実施している。現在、このプロジェクトの枠組みはすでに出來上がっており、2010年に全面的実施の見通しである。
「デジタル黃河」プロジェクトというのは、先端的なデータ収集と伝送技術を利用し、黃河に関するすべてのデータをコンピュータに保存した上、シミュレーションと分析を行い、黃河に関する自然現象に秘められた法則を探ることによって、黃河の治水、開発と管理に科學技術面のサポートを提供するものである。
水利部はかつて、黃河の治水に、「堤防の決壊なし、河床の斷流なし、水質の汚濁の度合いが基準を上回ることなし、河床が高くなることなし」など、四つの目標を掲げたが、実施の過程で數多くの困難にぶつかった。現在、これらの難問は、「デジタル黃河」のプロジェクトの応用で解決されつつあるのである。
「デジタル黃河」の応用システムは、水害防止、水量の調整、水質のモニタリング、水土保全、水利プロジェクト管理などの機能を備えており、コンピュータ上に黃河をそのまま再現するものである。
前世紀70年代以來、黃河は22回も斷流し、渇水期においていかにして流量を調節し、斷流を防ぐかは、難問と見なされている。「デジタル黃河」システムは、黃河の水量を観測し、計算を経て素早く調節方案を作成し、黃河下流700キロ一帯にある80の水門を遠隔コントロールすることができる。このシステムのおかげで、黃河はすでに7年間連続斷流を免れることになった。
このシステムは、水害防止の面でも大きな役割を果たしている。2003年8月、黃河流域は史上最大規模の秋の水害が発生し、14日間に、洪水が9回も連続して発生した。黃河水利委員會は、このデジタルシステムを生かし、黃河中流の四つの大きなダムの貯水量を総合的に調節し、下流の水害発生を防止したのである。
黃河流域では、50の大?中都市の住民が黃河の水を飲用水源としている。水源の汚染を防ぐため、デジタル水資源保全モニタリングシステムが開発され、汚染物による排出口近くの汚染狀況を観測し、水質の狀況を即時に報告することができることになっている。
「チャイナネット」2006年11月17日