外交部の徐敦信?元副部長（元駐日大使）が12月上旬、今年の中日関係について「新華網」の取材に応じた。以下はその発言の要旨。

2007年の中日関係発展の特徴を一言でまとめると「新たな出発點に立った中日関係の開局は良好」だ。この1年は正常な発展の軌道に戻る年だったと言える。今年4月の溫家寶総理の訪日は成功と言え、「氷を融かす旅」を実現し、両國のハイレベル相互訪問の正常な再開を示すものだった。今年1年は溫家寶総理の訪日に加え、胡錦濤國家主席と溫総理が國際會議の場で日本の両代の首相と會談した。福田首相も間もなく訪中する。胡主席は來年の春うららかに花咲く頃、日本を公式訪問する予定だ。溫総理の訪日時の國會演説も、大きな成功を収めたと言える。溫総理の演説はわが國の対日関係と中國政府の対日政策を全面的に詳述する、「理を以て諭し、情を以て動かす」ともいうべきもので、大きな反響を日本に引き起こし、日本の朝野?上下から遍く歓迎を受けた。溫総理の演説は中國國內でも積極的に評価されたと思う。溫総理の訪日により、両國の戦略的互恵関係の基本精神?內容?現在の重點が一層明確になった。これは非常に有意義なことであり、戦略的互恵関係を単なるスローガンや目標ではなく、より実行性あるものに変えた。

今年は「中日文化スポーツ交流年」であり、中日國交正常化35周年にもあたる。今年は各形式の大型交流活動が官民で300件以上開催されたと聞いている。こうしたスポーツ?文化交流は心の交流であり、両國の國民間の友好感情に必ず影響を與えることだろう。當然今年は両國間で35周年を重視し、多くの記念活動が催された。たとえば先日北京でハイレベル経済対話が開かれた。過去にも閣僚級協議が開かれたことはあるが、これは大きく異なる內容だった。今回のハイレベル経済対話は非常に幅広い內容のものだった。わたしが協議の結果、報道の內容、最終的な共同プレスコミュニケの発表を見たところ、レベルの高さと內容の広さを兼ね備えた、両國の経済交流の強化にとって深い意義を持つもので、良いスタートにもなったと言っていいだろう。

中國の軍艦「深セン」の日本初訪問は、新中國成立以來初めて、中日両國の軍隊間、あるいは海軍間の艦艇相互訪問に道を開いたと言える。総じて言えば、今年中日関係は転換を迎え、新たな出発點に立った開局の年の基調は良好だった。その前の數年間に中日関係が結氷と厳冬を経験したと言うのなら、今年は春風吹きそよぎ、大地に春が戻ったと言っていいのではないか。

「人民網日本語版」2007年12月26日