アナリストは、公設第一秘書の逮捕後の2カ月間、小沢氏が辭任を渋り続けたのは、今回の件を政界の「慣行」とみなしていたからだけではなく、それ以上に、ライバルである自民黨內部の閣僚も自らの公設第一秘書と同様に同じ會社から金銭を得ていたことを摑んでいたからだと指摘する。従って、小沢氏の辭任後、自民黨內部の「金銭スキャンダル」はいつ爆発してもおかしくなく、それが総選挙期間中に起きる可能性すらある。つまり、小沢氏の辭任が日本の政界にもたらす第1の影響は、おそらく「金銭スキャンダル」を互いに暴き合う舌戦を引き起こすことだろう。
小沢氏が辭任した11日の夜、麻生首相は首相官邸での記者會見で「黨首討論の2日前にいきなり辭めるということで正直驚いた。國民としては何の理由で辭め、何の責任を取られるのか、なぜ今か理解できないのではないか」と批判した。麻生首相のこの発言は、淡々とした口調のようでいて、一言一言が急所を衝いている。小沢氏、および間もなく民主黨の代表を引き継ぐ後任者が、これらの質問につじつまの合った答えを示せない場合も、総選挙を戦うことは難しくなる。だが、これら一見簡単な質問の中に、容易に回答できるものは1つもない。このように民主黨は疑問を解く上での新たな苦境に陥ることになる。つまり、民主黨が苦境に陥ることが、小沢氏の辭任が日本の政界にもたらす第2の影響だ。
第3の影響は、民主黨の再統合が必要になることだ。強権的な小沢氏は有無を言わせぬ指導力により、自民黨、社會黨、民社黨の「寄り合い所帯」である民主黨を自らの麾下に集結させてきた。民主黨は政治信念や経済政策において自民黨と明確な違いがないため、「在野の自民黨」とも呼ばれている。その目標はただ一つ。米國の政治制度に學んだ二大政黨制の実現である。このような政黨は政策的には目を引く內容を持ち難しく、権力の分配においては各々譲り合おうとしない。
3月以降、民主黨內部では「ポスト小沢」をめぐる議論が始まった。岡田克也副代表が中堅?若手黨員から大きな期待を寄せられているが、ベテラン黨員は菅直人代表代行ら指導部が代表を引き継ぐことを望んでいる。民主黨指導部は現在の「トロイカ」體制で小沢氏を支持してきた菅直人代表代行と鳩山由紀夫幹事長を気に入っている。両氏の強みは「意気込み」があり、小沢民主黨を順調に引き継ぐことができることにある。だが両氏は小沢氏の秘書逮捕後、小沢氏留任への全力支持を表明してきたため、「親小沢」の色彩を拭いがたく、民主黨に再生をもたらすことは期待できないとの聲がある。このように小沢氏の辭任後、民主黨內部のベテラン議員と中堅?若手議員との爭いが表面化する可能性がある。
小沢氏は1993年6月に自民黨を離黨して新生黨を結黨し、その後16年間、新生黨、新進黨、自由黨と、政黨の解散、結黨、再建を繰り返してきた。現在すでに67歳の小沢氏は、今回の辭任によって自らの政治人生に終止符を打とうとしているのだろうか?それとも「院政」を敷き、引き続き影響力を発揮しようとしているのだろうか。これも小沢氏が日本政界に殘す1つの謎だ。
「人民網日本語版」2009年5月13日
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