悪循環:子どもも貧困
経済學者は、近年進められてきた労働市場に対する規制緩和や他國に端を発する低賃金競爭の影響により、日本において低賃金労働者が急激に増加したと指摘する。さらに、こうした労働は基本的に社會保障制度がカバーする範囲の外に置かれている。
さらに多方面から注目すべきなのは、統計データが示すように、7分の1の子どもが貧困の中で生活している點だ。ソーシャルワーカーは「貧困家庭の子どもが様々な塾に通えないままでいるのは、これらの費用を支払えないからだ。
このため、こうした子どもたちは競爭の激しい日本の教育システムへの適応が困難であるほか、永久に低賃金労働を続ける悪循環に陥ることになる」と危懼を示す。あるNPOの工藤俊彥理事は「日本において容易に根絶できない下層階級が現れる可能性が高い」と語る。
51歳のシングルマザー、節約のために食事は2回だけ
今年51歳のシングルマザー?佐藤聡美さんは、まだ17歳の娘を育てるために2つの仕事を掛け持ちしている。このように働いても、佐藤さんの年収は約150萬円にも屆かず、貧困ライン以下の生活水準にある。
「貧困という言葉は使いたくないけど、貧しいのは確か」と佐藤さんは漏らす。2つの仕事を掛け持ちしているが、醫療費を払うことができないので病院にかかっていない。年々持病が増え、慢性的に関節炎に苦しんでいるほか、めまいに襲われることもよくある。昨年、娘の高校進學に際し、制服購入に約6萬円が必要になったが、こうした極當たり前の出費のために、佐藤さんは食事を1日2回に減らさなければならなかったという。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月18日