受賞作品『現代中國農村の高齢者と福祉』表紙
8月25日、日本僑報社は第九回「華人學術賞」の受賞作品を発表した。神戸大學博士號取得者、現在中國南京師範大學教師を務めている劉燦博士が日本語で書かれた博士論文『現代中國農村の高齢者と福祉』を受賞した。
受賞作品は、現代中國の農村における高齢者の生活と福祉の実態を明らかにし、そこでの問題の所在と対策を考察することにある。現代中國において、農村の高齢化が急速に進み、膨大な中國農村人口の高齢化、およびその福祉?介護、は大きな問題となってきている。本書は、中國農村における高齢者の生活と福祉を全國的な統計によって巨視的に分析するのではなく、あくまでも中國山東省日照市を調査対象地域として、徹底したインテンシヴな実態調査という方法をもって、農村高齢者の生活実態の微視的分析から、実証的に調査研究するのである。
神戸大學大學院教授淺野慎一先生は本書に次の推薦の言葉を寄せられた。中國において、またグローバル化する世界社會全體にとって、膨大な中國農村人口の高齢化、およびその福祉?介護の動向は極めて重要な意義をもつ。しかしこの問題について、階級的観點を明確にした質的調査研究はあまりに乏しい。本書は、徹底したインテンシヴな実態調査という方法論に基づいた研究の、學術的?実踐的課題への挑戦である。
日本僑報社は2002年に中日國交正常化30周年を記念して創設した「華人學術賞」は、中國人博士の學術成果を日本社會に広く紹介することが目的である。八年來、すでに10人の中國人博士が受賞した。
現在首都経済貿易大學教授李仲生博士の『中國の人口変動』、中國國務院僑務辧公室局長を務めている朱慧玲博士の『日本華僑華人社會の変遷』、日本東洋大學準教授王學群博士の『現代日本語における否定文の研究』、清華大學教授楊艦博士の『近代中國における物理學者集団の形成』、曁南大學教授陳海権博士の『日本流通企業の戦略的革新』、慶応大學講師康鴻音博士の『近代の闇を拓いた日中文學―有島武郎と魯迅を視座として』、中國社會科學院日本研究所呉懐中博士の『大川周明と近代中國―日中関係の在り方をめぐる認識と行動』、中國社會科學院マルクス主義研究院鄭萍博士の『早期毛沢東の教育思想と実踐』、中國華南師範大學教師陸小媛博士の『現代中國の人口移動とジェンダー』、慶応義塾大學経済學部助手徐一睿博士の『中國の財政調整制度の新展開』などは華人學術賞を受賞した。彼らの學術成果が出版した後に、日中両國特に研究者から注目を浴びた。
?中國網日本語版(チャイナネット)? 2010年8月27日