統計データによると、毎年、30萬人近くもの人が日本の愛知県にあるトヨタ自動車の本社に見學に行っている。ここは正に製造業の「聖地」と言えよう。なぜなら、ここにはトヨタが世界最大の自動車メーカーの座を手に入れるまでの成功の軌跡がある。しかし、一旦ふたを開けてみれば、トヨタほどその効率の悪さと日本経済の矛盾をさらけ出しているところはない。
トヨタが決算報告を行った時、資料の中に「補足資料」というものがあった。これには海外にある支社を含まない國內本社の単獨決算が記載されている。トヨタが円高でどれだけの打撃を被ったか、現在どれだけ克服できているかを知りたければ、この資料を見る必要がある。
トヨタは11月5日、4-9月(日本の會計基準に基づく「上半期」)の営業利益は3231億円に達したと報告した。円高やリコール問題の影響があった事を考えれば、これはかなり良い業績である。しかし、日本のメディアは冷靜にも、「円高の危機を克服した」と報道する事はなかった。なぜなら、単獨決算を見てみると1494億円もの営業損失があるのだ。トヨタは円高の影響で下半期には更に厳しい狀況になり、2010年度の本社単獨営業損失は4900億円に上ると予測している。これでトヨタは3年連続の赤字である。
「トヨタ式」の経営方法は少し変わっている。上半期、國內の総生産臺數は161萬臺だったが、內需が低迷しているため、日本での販売量は80萬臺ほどにしかならなかった。殘りは全て赤字覚悟で海外に輸出した。これこそ1494億円もの損失を出した元兇である。しかし、それでもトヨタの給料はトップレベルである。それはなぜか。つまり、海外の黒字が國內の赤字の尻拭いをしているという訳だ。