菅直人首相が、中日韓首脳會議を原発危機に関する隣國の不安を打ち消し、日本食品の輸入制限を緩和させるいいチャンスとして捉えることは、反面、日本の震災復舊にとって隣國の支援が不可欠だということを物語っている。世界のメディアの多くがこう分析している。
日本経済に詳しい中國のジャーナリスト?陳言氏は、今回の地震で、巖手、福島、宮城などの地域はインフラ設備の損壊がひどく、復舊が急務となっている。こうした大規模なプロジェクトは、建材資源が豊富で、高度な建築技術を持つ労働者を大勢抱える中國にとって大きなチャンスとなると見ている。
中國人民大學國際関係學院の黃大恵教授は、物資のほか、観光再開や安全確保を前提として農産物の輸入制限の緩和、新エネルギー、環境ビジネスなどの面で、中國は日本を支援できると話す。菅直人政府が、中韓首脳を被災地域に招いたのは、外交面での「得點」となるに違いない。そして、中韓首脳も今回の訪問を通じて、日本國民の心にある自國のイメージをアップさせ、三國いずれにとってもプラスとなっている。
また、今回の首脳會議で、中日韓自由貿易區設立への期待が高まった。「韓國時報」22日付けの記事では、1997年の経済危機の後、中日韓とASEANで東アジア経済共同體の構想が芽生えた。ところが、この構想は今日に至っても実現できないままだ。中日韓が率先して自由貿易區を設立すれば、東アジア経済共同體の設立に一里塚の役割を果たすだろうとしている。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2011年5月24日