東京の保育園に4年間通った息子を昨年北京に連れて帰ることになり、當初は息子が國內の幼稚園になじめるかどうか心配した。しかし子どもの適応力とは大したもので、毎日楽しそうに通っている。むしろ私たち両親の方が戸惑うことが多かった。そのうちの一つが、子どもにどれくらい服を著せればよいかということだ。「光明日報」が伝えた。
息子は満1歳を前に、東京の保育園に入園した。入園時、保育士の先生は子どもに少なめに服を著せるよう重ねて強調し、園內では靴も靴下も脫いだ。春夏はまだ良いが、秋になると、夫の母が子どもに厚著をさせるので、服を減らすよう先生から繰り返し注意された。冬になると、夫の母と先生の間の意見の食い違いは、いっそうエスカレートした。先生からいくら注意されても、母は自分の考えを曲げようとはしない。真冬に園內を裸足で歩かせるのが母には受け入れがたく、毎朝子どもに服や下著を何著も重ね著させる。そして私たちが保育園に子どもを連れて行くと、先生はため息をつきながら子どもの服を1著1著脫がし始める。母が帰國した後、私たちは面倒を避けたかったため、毎日子どもに少なめの服を著せ、保育園に通わせた。
帰國後、私たちはこれまで通り子どもに薄著をさせていたら、今度は「もっと厚著をさせなさい」と幼稚園の先生からおしかりを受けた。私たちは園側に子どものそれまでの成長過程を説明したが、先生は「ここは北京。子どもは風邪をひきやすいから、溫かくさせてほしい」。しかたなく私たちは子どもにタイツとセーター、ダウンジャケットを買い與えた。毎日園が終わり教室を出るとき、先生は必ず子どもにしっかりと厚著させてから見送る。
日本の保育園が薄著を提唱する理由は、子どもが自由に活動でき、免疫力を高めることにもつながるからだ。日本の専門家は、薄著で外によく出て體を動かせば體が丈夫になると指摘している。もし子どもに日頃からひどく厚著をさせれば、外気溫の変化を感じ取る皮膚や器官が鈍感になり、自律神経も活発にならず、子どもの免疫力は自然に低下する。また研究では、かりに重ね著が多すぎた場合、體熱の放散が増え、體はむしろ冷えるという。
もっとも、中國の幼稚園が子どもに重ね著を求めるのも正常だ。安全面での考慮から、多くの幼稚園では屋外活動が少なく、ましてや毎日子ども達の手を引き園の近くに散歩に出かけることはない。頻繁に屋外に出ず、運動が少ないとなれば、薄著はやはりリスクが伴うのだ。しかも中國では、ほとんどが父方あるいは母方の母が送り迎えをするため、子どもに厚著をさせれば、先生と親とのトラブルも避けられる。さらにこの冬の北京は本當に寒く、私はいま、子どもに毛糸のズボンを買い與えようか、考えている。
「人民網日本語版」2013年1月9日