日本の國會は6月22日に終了した。安倍內閣は憲法解釈見直しによる集団的自衛権の行使に関する閣議決定に踏み切れなかった。安倍首相はあれこれ策を練り、集団的自衛権の解禁を全力でPRしてきたが、失敗に終わった。しかし安倍首相はこれを反省せず、獨斷専行を続けており、7月上旬の再戦に向け準備を整えている。最終的にどのような結果になるかは、現時點では予想が困難だ。
安倍首相は集団的自衛権を獲得するため苦心慘憺し、ハードルが高く時間がかかり、困難が予想される改憲の道を諦め、憲法解釈見直しによる速戦即決を選んだ。あの手この手でPRし、連立政権を組む公明黨を誘い、內閣一致を目指した。いわゆる中國脅威論を何はばかることなく喧伝し、「火器管制レーダー照射事件」や中日の軍機による異常接近といった話で何度も騒ぎを引き起こし、地域の緊張を誇張し、國內外の輿論をミスリードした。安倍首相と閣僚が奔走し、手段を選ばず全力で取り組もうとも、集団的自衛権の解禁の野望は願い通りに即刻実現することはなかった。その裏側にある深い原因は、歴史の流れに背くすべての資産階級の政治家には洞察しがたいものだ。
冷戦終了後、平和と発展という世界の流れが勢いを強めた。日本國民はその他のアジア諸國の國民と同じく、日本の軍國主義による侵略戦爭の被害者である。はや70年が過ぎ去ろうとしているが、広島と長崎への原爆投下、東京大空襲などの戦爭の悲慘な光景はまるで昨日のことのようで、心に深く刻み込まれている。平和を愛し、戦爭に反対し二度と戦爭をしないという揺るぎない意志がある。日本の有権者は、大膽な措置を講じて経済を回復させるという安倍首相の宣言に期待したが、その軍拡?強兵の極右的な政治意識に対しては、2012年の総選挙の時點で懸念を強めていた。就任後の、軍國主義復活の道を歩もうとする一連の施政方針は、多くの有権者の警戒と反発を引き起こした。特に安倍首相は2013年12月に民意を無視し、特定秘密保護法を強行採決すると、公民の言論の自由と知る権利を侵す集権主義者の姿を露呈した。東京では數千人規模の集會が発生し、安倍首相の制定した特定秘密保護法に反対した。安倍內閣の支持率は、低下を始めた。安倍首相はその後靖國神社を參拝し、憲法が政府の権力を束縛するという立憲主義の原則に背き、集団的自衛権の解禁を全力推進した。これは日本を戦爭の災いに引きずり込もうとする悪どい下心を露呈し、國民の強い反発を招いた。
集団的自衛権の解禁について、自民黨と連立政権を組む公明黨は慎重な態度を示している。公明黨は、既存の憲法と法的枠組みが規定する個別的自衛権と警察権だけで、日本の安保問題に十分対応しうると判斷しており、安倍首相の自民黨とは異なる観點を持つ。野黨は、安倍首相の憲法解釈見直しによる集団的自衛権の行使という狙いに、強く反対している。地方議員と各界の識者の間でも、集団的自衛権を求める安倍首相に反対する人の數と勢力が増加傾向を示している。安倍內閣は6月19日、連立與黨の幹部に安保法制に関する閣議決定案を提出し、7月上旬に再議論することとなった。障害と圧力は拡大しているが、安倍首相が民意に従い、過ちを悟り引き返す可能性は低い。間違った道を歩み続け、日本人に唾棄されることは、安倍首相にとって避けることのできない結末だ。(筆者:呉祖栄 中國國際問題研究基金會研究員)
「中國網日本語版(チャイナネット)」2014年6月24日