記者は先ほど、北海道を訪れた。北海道には美しい風景があるが、町と農村が寂れ、旅館も人がまばらだ。ある店主と女將は古希(70歳)に近いように見えたが、まだ働き続けていた。
この現象は、人々の人口政策に対する思考を促すべきだ。
日本では高齢化が急速に進行しており、わずか數十年で高齢化社會に突入した。戦後の1940年代後半、日本ではベビーブームが生じた。1947年の出生率は、4.54に達したほどだ。しかし経済成長に伴い出生率が低下し、1974年には初めて2.1を下回り(國際社會では、1組の夫婦が2.1人の子供を持つことで、人口の自然な推移が実現できると公認されている)、少子化という現象が生じた。
高齢化による直接的な影響は、労働力不足だ。農林水産業では、労働力が不足している。日本の農家の平均年齢は67歳以上で、「高齢者による農業」になっている。大量の労働力が必要な第三次産業では、人手が極端に不足している。
日本は1960年代に「ルイスの転換點」に入った。日本経済の高度成長は、人口ボーナスが失われ、出生率が低下を開始した時期に終了した。これは偶然ではなく、高齢化が経済に目に見える悪影響を及ぼしている。
法政大學の趙宏偉教授は、「子育ては最大の経済政策だ。10ヶ月妊娠し、入院し子供を産む消費額は住宅購入の頭金を上回り、出産後の毎月の消費額は住宅ローンの月々の返済額を上回り、1人の子供にかかる消費額は住宅1軒を上回る。しかもこれは、確かに必要な消費である。子供ができて初めて家を買うことになり、家がなければ住む者もいないので、家を買う人がいなくなる。日本は出産?育児の消費が不足しており、経済発展に必要な最大の市場を失っている」と指摘した。
高齢化により年金制度に大きな問題が生じている。高齢化が進み、年金受給者が増え、納稅者が減少し、維持が困難になっている。また高齢者が増えれば全體的な醫療費の支出も増え、納稅者の負擔も拡大する。出生率の低下と高齢化は、日本の醫療保険と年金制度に致命傷をもたらす。さらに高齢化は醫療施設に強い負荷をもたらす。労働力不足により、日本は海外から看護師を招かざるを得なくなっている。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2015年8月1日