2013年にドイツで行われた世界最大の産業(yè)見本市「ハノーバーメッセ」で提起された「インダストリー4.0」は、その後急速にドイツのもう1つの名刺になった。おそらく誰も予想しなかったことだが、ドイツと同じくグローバル製造業(yè)の第2グループに入る日本では、2010年の段階で「インダストリー4.0」の概念が提起されており、中味はドイツの概念と同工異曲だ。日本版インダストリー4.0の提唱者は日本ネット業(yè)界のリーダー的人物の藤原洋氏。氏は著書「第4の産業(yè)革命」の中で、日本版インダストリー4.0の概念は製造業(yè)に限られたものではなく、世界のすべての民族、すべての國家、すべての産業(yè)に共通する「第4の産業(yè)革命」だと強(qiáng)調(diào)した。目的は世界が持続可能な発展を遂げることにあり、その中にドイツのインダストリー4.0も含まれる。中國証券報(bào)が伝えた。(文:張鵬)
同著書は第一次産業(yè)革命(英國の動(dòng)力源と蒸気機(jī)関の革命)、第二次産業(yè)革命(ドイツと米國の重工業(yè)革命)に続く第三次産業(yè)革命(米國の情報(bào)技術(shù)<IT>革命)がもたらした「エネルギー環(huán)境問題」に軸足を置き、第四次工業(yè)革命(環(huán)境エネルギー革命)の歴史的必然性、革命の発展を推進(jìn)する原理と具體的技術(shù)の本質(zhì)、世界と日本の現(xiàn)狀および具體的方針を説明する。
一般的に、ドイツを代表とするインダストリー4.0はモノのインターネットとスマート製造業(yè)が主導(dǎo)するもので、プロジェクトには主に3つのテーマがある。1つ目は「スマート工場」で、スマート化された製造システムと製造プロセス、およびネットワーク化された分布式の製造設(shè)備の実現(xiàn)を重點(diǎn)的に研究することだ。2つ目は「スマート製造」で、主に企業(yè)全體の製造?物流管理、人と機(jī)械の連動(dòng)、工業(yè)製造プロセスにおける3D技術(shù)の応用などに関わることだ。3つ目は「スマート物流」で、主にインターネット、モノのインターネット、物流ネットワーク、総合的物流資源を通じて、既存の物流資源の供給側(cè)の効率を十分に発揮し、需要側(cè)がふさわしいサービスを迅速に受けられ、物流面の支援を得られるようにすることだ。
ドイツと異なり、日本のインダストリー4.0はスマートグリッドが主導(dǎo)するもので、太陽エネルギー、高溫超電動(dòng)直流送電技術(shù)、電気自動(dòng)車の3大技術(shù)は日本の環(huán)境エネルギー産業(yè)が國際競爭力を備えるための基礎(chǔ)産業(yè)だ。藤原氏によると、日本が第二次世界大戦後から現(xiàn)在までの間に直面した経済危機(jī)の本質(zhì)は、化石燃料に依存した工業(yè)製品の輸出産業(yè)が衰退に向かったこと、経済が首都圏に高度に集中したこと、またエネルギー資源と食糧を外國からの輸入に過度に依存したことにある。こうした経済的問題を解決するための秘訣は「エネルギーと情報(bào)の地産地消モデル」で、このモデルを構(gòu)築するにはまず太陽エネルギーをはじめとする再生可能エネルギーによる「地産地消型エネルギー電力網(wǎng)」(送電ネットワーク)を構(gòu)築し、次にホワイトスペースを中核とした「地産地消型情報(bào)電力網(wǎng)」(スマートメーターネットワーク)を構(gòu)築し、最後にエネルギー電力網(wǎng)と情報(bào)電力網(wǎng)を合併させ、エネルギーと情報(bào)の地産地消モデルを確立することが必要だという。
現(xiàn)在、日本は地産地消モデルの構(gòu)築を目標(biāo)として、実証実験を始めており、今後5年にわたる見込みだ。藤原氏は著書の中で、「日本には世界でも最も卓越した環(huán)境エネルギー技術(shù)があり、世界の発展途上國が直面する問題を解決する力がある。國際競爭力という點(diǎn)からみても、日本の先端技術(shù)を有効に利用してエネルギー革命の世界基準(zhǔn)を確立する必要がある。そういうわけで日本社會(huì)は率先して『太陽光経済』社會(huì)に移行しなければならない……こうした試みが成功すれば、世界はエネルギー不足、水と食糧の不足、紛爭や戦爭といった困難な狀況から開放され、日本も世界各國から尊敬されるようになる」との見方を示す。
こうした意義から考えて、日本は別の方向や側(cè)面から第四次産業(yè)革命を率いているのであり、中國がドイツのインダストリー4.0をベンチマークとしてうち出した「メードインチャイナ2025」戦略は実のところ東西2つのインダストリー4.0がぶつかりあい包囲し合って生まれたものだ。あまり知られていないことだが、中國は世界の製造業(yè)の4つのグループのうち第3のグループに屬しており、こうした狀況が短期間で根本的に変化することはあり得ない。製造強(qiáng)國になるには少なくとも30年の年月を要する。第四次産業(yè)革命は中國でも始まっており、メードインチャイナ2025が「革新による駆動(dòng)、質(zhì)が優(yōu)先、グリーン発展、構(gòu)造の最適化、人が中心」との基本方針を真に堅(jiān)持しようとするなら、東西2つのインダストリー4.0に対する十分かつ冷靜な理解が必要だ。隣國日本で起こりつつある「太陽光経済」を軽視してはならない。
「人民網(wǎng)日本語版」2016年3月20日