フィリピンのドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)は27日、訪日を終えた。日本政府とメディアは今回の訪問に対して、さまざまな反応を示している。中日の対比という視點(diǎn)を持たなくても、ドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)の訪日の過程と結(jié)果は相當(dāng)に「気まずい」ものとなった。
日本はフィリピンの古い友人であり、アジア開発銀行の本部はマニラに置かれている。當(dāng)然ながら米國もフィリピンの「古い友人」であるが、ドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)は訪日中に米國批判を繰り返した。
外務(wù)省の記録によると、ドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)は南中國海問題について、主に次のような観點(diǎn)を示した。(1)仲裁結(jié)果に基づき、適切な時期を見計(jì)らい、海洋法の枠組み內(nèi)で対話する。(2)フィリピンと日本は狀況が似通っており、日本側(cè)に立つため安心してもらいたい。
ところが日本メディアは想像力を発揮し、フィリピンが南中國海問題で引き下がらず、日本と肩を並べて戦うというふうに解釈した。
第3者がドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)の最後の発言を熟読すれば、日本はフィリピンがどのように南中國海問題を処理するかについて焦る必要はない、と解読できるだろう。ドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)の行為を分析すると、彼が斷固たる現(xiàn)実主義者であることが確認(rèn)できる。ドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)は訪中前に記者に対して、「対話による食い違いの解消は、東洋人の哲學(xué)的思考だ」と述べた。フィリピンは今後、現(xiàn)実主義の路線を歩むことになり、日本を含む一部の國を非常に不安にさせている。
しかし実情はこうだ。フィリピンの1人平均GDPは約2850ドルで、世界126位となっている。また貧困層が、総人口の26%を占めている。國內(nèi)の経済発展問題がこれほど差し迫った狀況を迎えるなか、フィリピンは米國の「アジア太平洋リバランス」の手先になり、中國と賭けに出る必要はあるだろうか。ドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)は自分が愛する祖國に、これほど大きな損をさせたくはない。南中國海の仲裁で、フィリピンが何も得られなかったのは事実だ。ドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)が現(xiàn)実主義の路線に変更するのは、當(dāng)然のことだ。
そのためドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)は日本で講演した際に、他國を番犬と思ってはならないと述べた。これは日本人に向けた発言だ。現(xiàn)実主義的な角度から、ドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)は大勢を読んでいる。アジアは千載一遇の飛躍的な発展の好機(jī)を迎えており、安定的かつ理性的に紛爭を処理することが、このチャンスを逃さずつかむ上で重要になる。他國との交流で現(xiàn)実的になれば、相手にとっても自國にとっても有利というわけだ。
日本が直面している問題も、かつてのフィリピンと非常に似通っている。地域の安定を維持するアジアの國として問題を考えるべきか、それとも地域を離れ某大國の手先として問題を考えるべきか、ということだ。
アジアはさまざまな価値観が共存する共同體だ。ここで自國の価値観により他國を排斥しようとすれば、アジアに溶け込み、各國と発展を共有することはできない。この點(diǎn)から論じても、日本はドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)に學(xué)び、自國をアジアの一員として、東洋のやり方で眼前の問題を解決するべきだ。
「中國網(wǎng)日本語版(チャイナネット)」2016年10月31日