前編の桜並木を過ぎ、伊豆高原駅に到著した。切符を購入しホームで電車を待つ。長い通路を歩く必要はなく、地下鉄よりも便利なほどだ。
伊豆急行線は東京と伊豆半島を結(jié)ぶ特別列車だ。専用の自由席があり、広い窓が取り付けられているため、太平洋の海岸線を眺めることができる。海を眺める列車として、日本でも名を知られている。
桜まつりの季節(jié)だが、ホームの人は少なく、筆者と共に乗車した人も數(shù)えるほどだった。ダイヤ通りに出発し、混雑することも、切符をもう一度確認(rèn)することもなく、広々とした車內(nèi)に入った。
両側(cè)の全面ガラスは明るく大きく、座席は前後左右の四方向を選べる。車內(nèi)には伊豆半島の野花の寫真が飾られ、開花時期、観賞場所などが文字で記されている。筆者は緑の椅子を選び、電車から海を眺める旅を始めた。
伊豆の海岸線は緩やかで長く、険しい崖と絶壁に打ち付ける波が、窓外をあっという間に移動していく風(fēng)景になった。伊豆高原から河津駅までの時間は一瞬のように感じられた。急行列車の窓外の、盡きることなき大海原だけが記憶に殘っている。