私にとっての北京の地下鉄は、家と職場(chǎng)の次に長(zhǎng)く時(shí)間を過ごす生活の場(chǎng)である。2008年から北京で生活を始めて早14年。留學(xué)生時(shí)代はどこまで乗っても2元(約40円)の地下鉄で様々な観光名所を回り、仕事を始めてからは北京の北西に位置する自宅付近の西二旗駅と南に位置する天壇東門駅の間を満?jiǎn)Tの地下鉄に揺られ、往復(fù)3時(shí)間かけて通勤していた。(文=小林正弘?清華大學(xué)法學(xué)博士 /Genuineways Law Firm パートナー)
2012年に80歳を超える大學(xué)時(shí)代の恩師が北京を訪れ、前門や天安門を観光した際も地下鉄を利用した。當(dāng)時(shí)は日中関係が緊張していた時(shí)期であったが、恩師を見かけた乗客がさっと笑顔で席を譲ってくださり、恩師も中國(guó)人の暖かさに觸れ大変に感動(dòng)されていた。このような高齢者、妊婦、子供などに席を譲る美しき伝統(tǒng)は、今も変わることがない日常の心溫まる一コマだ。
西二旗駅は通勤ラッシュ時(shí)に北京一混雑する駅として有名だ。地下鉄であるがこの區(qū)間は地上の路線であり、白色の吹き抜け二階建て巨大プラットフォームはとても地下鉄の駅とは思えないスケールだ。透明で高さのある安全性を考慮したホームドアが完備されているだけでなく、近年では駅員の誘導(dǎo)作業(yè)による乗車マナー向上の取り組みがなされ、整然と列を作り秩序ある乗車風(fēng)景が見られるようになった。地下鉄のトイレにも専門の清掃員が配置され、清潔に保たれている。この駅の周辺には百度、レノボなどIT大手企業(yè)が集中しており、駅から職場(chǎng)へ向かう通勤者の一群の足取りには中國(guó)の未來を創(chuàng)造しゆく力強(qiáng)い息吹が感じられる。
「中國(guó)網(wǎng)日本語(yǔ)版(チャイナネット)」2023年3月7日