「今ガイドさんが言った『バザール』ってどういう意味だったっけ」

　「マーケット、農(nóng)産物市場(chǎng)という意味だよ」

　メンバーの中に、ふだんはあまり話さないが、中國(guó)旅行の話題になるとうれしそうに口を開(kāi)き、たまにガイドに代わって紹介してくれる女性がいた。今年74歳になる藤田ゆりさんだ。

　藤田さんは中國(guó)旅行が大好きで、生涯學(xué)習(xí)として60歳を過(guò)ぎてから中國(guó)語(yǔ)を?qū)Wび始めた。あるとき、中國(guó)語(yǔ)教室が企畫(huà)した四川省旅行に、藤田さんは「とりあえず行ってみようか」と軽い気持ちで參加した。そこで黃龍や九寨溝の絶景に圧倒され、知らず知らずのうちに中國(guó)旅行にはまっていった。これまでに前漢の皇帝11人の陵墓は全て訪れた。中國(guó)旅行の回?cái)?shù)は數(shù)え切れず、「毎月のように中國(guó)に行った頃もあった」という。

　しかし、コロナの影響で中國(guó)旅行の計(jì)畫(huà)は何度も中止になった。そのたびに、日程や中國(guó)の地理についての豆知識(shí)がいっぱいのノートには、大きく「殘念」の２文字が記された。今回、藤田さんはついに願(yuàn)いをかなえ、幼稚園の頃からの友人も連れてきた。

　藤田さんは、「新疆の風(fēng)景はとても素晴らしい。長(zhǎng)く壯大な歴史も楽しいです。寫(xiě)真もたくさん撮ったし日本に帰ったらまた寫(xiě)真を見(jiàn)てこの景色を思い出します」とうれしそうに話した。さらに、「２０１７年に、今は亡き妹と新疆を旅行しましたが、ずっと行きたかったカシュガルのタシュクルガン?タジク自治県には言葉の問(wèn)題もあって行けませんでした。次回は絶対にタクシーをチャーターしてゆっくり見(jiàn)て回りたいです」と言い、すでに新疆を３回訪れている藤田さんは４回目を考えている。

　実はメンバーの多くは似たような気持ちでツアーに參加していた。高橋茂さん（45）は、仕事で中國(guó)人と接する機(jī)會(huì)があったので、「とりあえず中國(guó)語(yǔ)を勉強(qiáng)してみよう」と考えた。その後、今回のツアー募集を知って、中國(guó)に行ったことがなかったので「とりあえず行ってみよう」と參加を決めたという。中國(guó)語(yǔ)が全く話せない高桑さんも、日本メディアの報(bào)道ではなく、中國(guó)の実情を知りたいと思い、「とりあえず行って見(jiàn)てみよう」と決めたのだった。今回の新疆ツアーは高桑さんにとって４回目の訪中だが、「來(lái)るたびに中國(guó)の面白さ、美しさを発見(jiàn)できます」と話した。

　木下さんが言うように、自分で見(jiàn)聞きして判斷することはとても大切だ。中日は一衣帯水の隣國(guó)で、安定的かつ健全な中日関係は両國(guó)民の共通の願(yuàn)いである。ではどうすれば偏見(jiàn)や先入観を超越し、互いの理解と認(rèn)識(shí)を深め、友好関係を築くことができるのか。その答えは、「とりあえず行って見(jiàn)てみよう」という言葉から見(jiàn)つかるかもしれない。

　「人民中國(guó)インターネット版」2023年12月14日