17日付英紙「フィナンシャル?タイムズ」は、「日本の景気後退が予想以上で、かつ持続的な賃上げが不確実であることから、日銀が今年最後の會議で金利調節に踏み切ることはないと見られる。投資家は日銀の19日の金融政策會見に注目している。エネルギー価格の急騰の影響を受け、日本の物価上昇率は昨年4月より日銀の2%の目標を上回っている」と伝えた。日本の経済學者の渡邉哲也氏は英誌「THE21」の取材で、「エネルギー価格、特に電気料金の高騰は日本の來年の最大の懸念事項で、日本の國際的な競爭力に影響を及ぼす。日本の業務用電力の料金は中韓の2倍だ」と述べた。
3つの原因
日本の物価は2022年より全面的に上がっているが、うち上げ幅が最も大きく日本が最も懸念しているのは電力を始めとするエネルギー価格だ。日本政府は主要電力會社7社に対して、今年6月より家庭用電気料金の値上げを認めた。伸び幅は14?42%。「ジャパンタイムズ」は、電気料金の値上げにより物価上昇が激化すると分析した?!笟叭招侣劇工?00人の住民を対象に実施した世論調査によると、電気料金の値上げを最も懸念が23%にのぼった。
「環球時報」日本特派員によると、エネルギーが逼迫すると日本の地下鉄及び電車の照明の半分が落とされ、商業施設などの公共の場のエアコンも弱くなる。多くの企業が節電措置を講じ、電気料金の値上げによる経営の圧力を和らげている。
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志氏は、日本の電気料金の値上げには次の3つの原因があるとした。(1)福島原発事故後、その他の正常に運転している原発の多くが停止となり、電気料金が上がった。(2)日本が太陽エネルギーなどの再生可能エネルギーを大量に輸入し、電気料金の値上げが生じた。(3)ロシアとウクライナの衝突の影響を受け、天然ガス、石油、石炭などの価格が暴騰した。日本の主な発電燃料は液化天然ガスと石炭であり、電気料金が高止まりしている。
米國の3倍、中韓の2倍
渡邉氏は、「これは経済にとって不利だ。原発の操業停止に伴い、日本の業務用電力の料金は米國の3倍、中國もしくは韓國の2倍になっている。これは製造業の日本回帰計畫を妨げる」と述べた。
「ジャパンタイムズ」は、「輸入化石燃料の価格急騰により、資源が不足する日本は世界的なエネルギー危機の衝撃を受けている」と分析した。中國社會科學院日本研究所総合戦略室主任の盧昊氏は17日、「環球時報」の取材で、「日本の現段階のエネルギー構造は依然として化石などの伝統的なエネルギーが中心的で、全體のおよそ7割以上を占めている。自國のエネルギー利用を維持するため輸出に強く依存しており、そのエネルギー供給価格は國際エネルギー市場の価格変動に大きく左右される。しかもその他の先進國と同様、日本は物流や人件費などの生産コストが常に高めだ。エネルギー価格が來年安定するかもまだまだ不確実だ」と述べた。
日本経済の脆弱性
盧氏は、日本はこれから原発再稼働により対外的なエネルギーの依存度を下げ、電気料金を引き下げる可能性があるとの見方を示した。しかし福島原発事故後、原発安全は世論が特に注目する問題で、再稼働は政治と民意の強い圧力を受ける。
盧氏は、「日本経済が現在直面している大きな問題は、エネルギー価格の高騰による物価高の伝導効果で、産業チェーンの各部分の価格が吊り上げられている。これは日本経済の脆弱性を反映しており、短期的には変えられない。國際エネルギー価格の変動が近年大きくなっており、かつ日本の外需の脆弱性を変えられないことから、來年の日本経済の狀況については予測が困難だ」と述べた。
臺灣誌「能力」は、「日本は再生可能エネルギーへのモデル転換に積極的に取り組んでいるが、風力にせよ太陽光発電にせよ季節と時期的な変動性があり、さらに蓄エネという関門を突破する必要がある」と分析した。また日本は周辺諸國と競爭関係で、國を跨ぐ電力網の構築は困難だ。これは日本の電力問題が構造問題であり、將來的にエネルギー価格や國際的な衝突などのリスクが解消されたとしても、日本の電力の苦境が殘ることを意味する。
?中國網日本語版(チャイナネット)?2023年12月18日