米ホワイトハウスは18日、バイデン米大統領が4月11日に初の日米比3カ國の首脳會談を開くと発表した。ブリンケン米國務長官も18日にフィリピンを訪問する。バイデン政権が內外で試練を迎える中、ブリンケン氏の東アジア歴訪は意味深長だ。最初の訪問先に韓國を選んだのが「民主主義サミット」に出席するためと言えば、それには「恒例行事」という意味合いがあるが、次の訪問先にフィリピンを選んだことで米國側の真の狙いが露呈した。ウクライナ危機やパレスチナとイスラエルの衝突が長引く中、米國は依然として対中抑制戦略を緩めていない。
米日比の3カ國関係の強化は、過去1年以上に渡る東アジアの地政學的構造の重要な変化だ。米日比が3カ國協力の「全面性」をいかに粉飾しようとも、3カ國の主な重點は軍事?安全分野で、「南中國海をかき亂し、臺灣海峽まで影響を及ぼし、中國をけん制する」という戦略的な意図が浮き彫りになっている。バイデン政権は日比を利用しアジア太平洋の「同盟による中國抑制」を実現しようとしている。昨年構築した米日韓の「鉄のトライアングル」の協力による「北のアンカー」、今回の米日比3カ國の協力の「中央のアンカー」、さらには推進中の米日豪協力という「南のアンカー」へと、米國の同盟體制は西太平洋で新たな「列島線による中國抑制」を形成している。日本とフィリピンはその中で極めて重要な、戦略的支柱としての力を発揮している。日本が自発的に中國抑制の「急先鋒」になり、米國と同盟國の間で仲を取り持ち、韓國やフィリピンだけでなくNATOまで誘い込もうとしているため、米國は初めて一連の「ミニラテラル」協力によりネットワーク化された複合的な対中抑制の地政學的「包囲網」を構築できる。フィリピンはアジア太平洋の地政學的な要衝に位置し、米日が東中國海?臺灣海峽?南中國海の「三海連動」を実現し、前線の軍事配備を推進するため重要な戦略的支柱を提供している。
そのため米日比3カ國の協力に注目する際には、特にそれがもたらしうる地政學的衝撃に注目する必要がある。米日比の安全協力はまず、南中國海情勢をかき亂すことになる。フィリピン側は米日の後ろ盾を手にし、海上でより憚りなく挑発行為に出て、南中國海の平和と安定を大きく損ね、また中國とASEANの協議による南中國海情勢のコントロールの努力を妨害する可能性がある。さらに米日比の中國を念頭に置く安全協力は、地域の陣営の対抗による分裂のリスクを拡大し、ASEANの団結と中心的な地位を損ねる。軍事?安全の他に、米日比は新興技術や産業チェーン及び供給網の協力を促進しているが、これも米國の中國抑制の性質を持つ「スモールヤード?ハイフェンス」や「デカップリング及びチェーン寸斷」の考慮を露呈している。これはアジア太平洋の協力の流れに衝撃を及ぼす。米日比がアジア太平洋に向け仕掛けた「安全の罠」に対して、地域諸國は厳重警戒を保つべきだ。
(筆者=項昊宇?中國國際問題研究院アジア太平洋研究所特別研究員)
?中國網日本語版(チャイナネット)?2024年3月20日