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lbxysyl.com |10. 04. 2024

千住博が愛する中國の伝統(tǒng)色

タグ: 伝統(tǒng)色
人民中國  |  2024-04-10

「日本頭條(JP-TOP NEWS)」記者 施憶=文?寫真提供 

統(tǒng)的な日本畫の技法で描く大作「滝」。その作者として知られるのは、日本の蕓術(shù)家?千住博氏(66)だ。千住氏は、2年に1度開かれる美術(shù)展「ベネチア?ビエンナーレ」の絵畫部門で、アジアで初めて名譽(yù)賞に輝いた(1995年)蕓術(shù)家でもある。また、伝統(tǒng)的な日本畫のスタイルを巧みに取り入れている數(shù)少ない現(xiàn)代アートの巨匠の一人だ。千住氏は、中國の伝統(tǒng)的な水墨畫に深い愛著をずっと持ち続けてきた。40年余りの千住氏の蕓術(shù)人生において、「中國文化」は常にインスピレーションの源であり、その蕓術(shù)作品を生み出してきた。 

中國の水墨畫と伝統(tǒng)の色  

長野県軽井沢町にある軽井沢千住博美術(shù)館には、同氏の78年以降の代表的な作品が100點(diǎn)余り収められ、その創(chuàng)作の流れを全面的に示している。千住氏が好む作品は、しばしば中國の趣を持つ。その趣とは、まさしく中國の水墨畫のダイナミックな表現(xiàn)である。 

 

昨年の訪中で訪れた北京?故宮博物院での千住博氏。「中國の悠久の歴史に圧倒される。博物院自體が偉大な歴史の寶だ」と語った(千住博美術(shù)館公式ホームページから) 

千住氏はこう振り返る。「私は東京蕓術(shù)大學(xué)にいた頃に中國絵畫を勉強(qiáng)し始めました。中國絵畫には本當(dāng)に驚かされました。絵には塗るという技法が見當(dāng)たらず、どれもが綿密に描かれたものでした。まるで書道のように、一筆一筆細(xì)やかに絵の表面を埋めているのです。これには大変感動し、私の創(chuàng)作の出発點(diǎn)ともなりました」 

『崖』は、千住氏が中國の伝統(tǒng)絵畫の強(qiáng)い影響を受けて創(chuàng)作した作品だ。そこには北宋時(shí)代(960~1127年)の山水畫家の郭煕と範(fàn)寛の影が見て取れる。「私の初めての展示會はニューヨークでした。この作品を通じて東洋の蕓術(shù)の素晴らしさを示したいと思いました。この絵には、私が中國の水墨畫から學(xué)び、考えたものが含まれています。私は自分のやり方で中國畫の魅力を世界に示そうとしました」 

千住氏の作品には、流れるように生き生きとした活気がある。『ウォーターフォール』『フォーリングカラー』『星の降る夜に』といった代表的な作品には、「フォール」(流れ)のイメージが繰り返し示されている。 

 

モダンな軽井沢千住博美術(shù)館

また「水」は、中國の蕓術(shù)作品においても同じように重要な要素の一つである。千住氏は、中國の「水」は、はるか遠(yuǎn)く長い時(shí)間をかけたものだと言う。いわゆる「黃河の水は天から流れ來る」というのは、中國の水には遠(yuǎn)くから遠(yuǎn)くへと流れ、過去から未來へと流れる壯麗な美しさがあり、中國の蕓術(shù)作品の多くはこの雄大さを描いていると言う。 

蕓術(shù)作品は、しばしばその時(shí)代の精神を反映する。新型コロナウイルス感染癥の影響により、色彩は千住氏の創(chuàng)作において重要な要素となり始め、色の価値をじっくりと見直した。「きらびやかな色は人々の心を照らし、勇気とエネルギーを與え、感情の花を開かせます。新型コロナウイルスの影響という厳しい狀況の下、存在しないものを示して人々に勇気と勵(lì)ましを與えることで、世界はさまざまな色彩と活力に満ちあふれた全く新しい世界に変わりました。私は、いろいろな美しい色を使ってみようと思いました。これこそが蕓術(shù)の力です」 

千住氏は、「中國の伝統(tǒng)色」と呼ばれるカラーチャートが大好きだ。そこには、粉風(fēng)仙(ホウセンカのピンク色)や紅蓮灰(紫がかった灰色)、竹月色(竹林の中の月の景色のような青色)、緑琉璃(高貴な緑色)など、その全てに中國の伝統(tǒng)的な色の名稱が使われている。千住氏は、色味があいまいな日本の伝統(tǒng)色と比べ、中國の伝統(tǒng)的な色は豊かで深みがあると話す。だから創(chuàng)作で色を選ぶ際は、この中國のカラーチャートをよく使う。 

世界へ飛び出す弟子を支援 

千住氏の絵畫作品『ウォーターフル イグアス』は2011年、四川省成都市で開かれた「第5回成都ビエンナーレ」に出展された。日本以外で同作品が出品されるのは初めてで、展示されるやいなや、中國の多くの見學(xué)者の人気を集めた。 

中日平和友好條約締結(jié)45周年に當(dāng)たった昨年、千住氏は日本アジア共同體文化協(xié)力機(jī)構(gòu)(JACCCO)の文化人訪中代表団の一員として1023日、福田康夫元首相と共に北京を訪れ、関連する祝賀行事に參加した。訪中の期間中、同代表団は中國の韓正?國家副主席と會談。中日雙方とも、文化交流は中日友好を守る上で重要な役割を擔(dān)っており、今後も共に努力し、文化交流を含む各分野の協(xié)力を引き続き推し進(jìn)めたいとの考えで一致、これを表明した。 

 

中國の伝統(tǒng)絵畫の影響を深く受け創(chuàng)作された『崖』

千住氏にとって、蕓術(shù)とは交流そのものである。蕓術(shù)が人の心を動かすのは、決して対象を上手に描くということではなく、その作品が心からの感動を伝えてくれるからである。たとえ國と國とがどんなに大きな困難に直面しても、蕓術(shù)は友好交流のチャンネルである。現(xiàn)在、中日関係は大変複雑な狀況にあるが、蕓術(shù)の力は中日間の友情をさらに発展させていくことができる。蕓術(shù)はいつまでも効果的で、いつまでも新鮮で、いつまでもさまざまな時(shí)代の人々を共感させることができる。 

千住氏の3人の弟子のうち2人は中國人だ。2人は大変な努力家で、優(yōu)秀な若者だと千住氏は稱賛する。「中國には14億の人がいて、優(yōu)秀な人材が次々現(xiàn)れて盡きることがありません。その優(yōu)秀な人材が世界に出て行く手助けを私はしたいと思います。また、この14億人の中には、私の作品を好きな人も少なくないと信じています。楽しげな人とは共に喜び合い、悲しんでいる人とはその苦しみを分かち合い、さらに人々を勇気づけることができる――これが蕓術(shù)の持つ力だと思います。日中両國は、昔から互いによく知り親しくし、しっかりとした友好交流の基礎(chǔ)があります。私は蕓術(shù)家として、中國の若い蕓術(shù)家の世界進(jìn)出をサポートすることで、引き続き日中友好を大いに発揚(yáng)していきたいと思っています」 

 

百貨店の三越が創(chuàng)業(yè)350周年を記念して東京?日本橋三越本店で昨年開いた「千住博展-伝統(tǒng)と革新-」であいさつする千住氏(左から2人目)ら。(左から五井平和財(cái)団の西園寺裕夫理事長、千住氏、福田康夫元首相、周恩來平和研究所の王敏所長)

千住氏は、日本の周恩來平和研究所の王敏所長と親交があり、2人は2010年上海萬博の準(zhǔn)備委員會のメンバーを務(wù)めた。また昨年は、JACCCOの文化人訪中代表団のメンバーとして北京を訪れた。王所長は千住氏に期待を込め、こう語った。「中日間の友好交流において蕓術(shù)は大変重要なチャンネルです。千住さんは、自身の蕓術(shù)創(chuàng)作の経験によって改めてその事実を明らかにしました。北京訪問後、千住さんは文化?蕓術(shù)分野において中國とさらに広く深い交流を望んでいます。なぜなら、千住さんは両國の平和?友好に貢獻(xiàn)することを心から望んでいるからです。私も千住さんの願(yuàn)いが実現(xiàn)し、將來、中國の同胞たちと共に漢字文明が生んだ優(yōu)れた結(jié)晶を鑑賞できることを期待しています」 

「人民中國インターネット版」2024年4月10日