そうした観點の影響を受け、一人暮らしをする若者が両親から経済的な支援を得るという狀況も普遍的になってきている。調査では、ここ3年以內に7割を超える両親が自分の子どもに様々な形で経済的援助を行っており、そのうち65歳以上の高齢者は84%であった。驚くべきは、子どもから両親への仕送りの平均が34.6萬円であるのに対して、両親から子どもへの仕送り額は遙かに多い平均162.7萬円であった。
高齢になると、體に不具合が生じるのは付き物。幸い日本の醫療保険制度は健全であるが、高齢化がもたらす莫大な醫療費が日本の負擔となりつつあり、制度の限界感さえ感じられる。追いつめられた政府は、ついに高齢者の醫療費にメスを入れようとしている。
実は民主黨の野田政権時代には、70?74歳の高齢者の醫療費の負擔額についての議論が行われていた。昨年11月、厚生労働省は社會保障審議會において、今年の4月から満70歳以上の人の醫療費負擔額を20%に引き上げるよう主張していた。自民、公明両黨が政権を握り、この政策は2014年1月からの実施に先延ばされたものの、醫療費の負擔額の倍増が今後高齢者の新たな不安要素になることは必至である。
「高齢者が若者を養う」、「醫療費が高い」といった負擔は生活の質に直接的な影響を與えるが、子どもや自分の健康のための支出であればまだ我慢できる。しかし、昨今の日本社會では多様な詐欺が橫行しており、高齢者を狙った詐欺が特に際立っている。これでは高齢者は弱り目にたたりめである。
警察庁によると、2013年4月までに、高齢者を狙った振込詐欺の被害額は132億円に上り、2012年の同じ時期の30億円を大きく上回っている。未公開株や債券などの金融商品を使った手口では、その被害額は50億円以上に上っている。この他、伝統的な手口の案件も全案件の74%を占めており、被害額は71億円で、この金額は昨年同期比の2倍に膨れ上がっている。
その原因は、投資ルートの制限と監督不足が犯罪者に好都合な狀況を與えていること、一人暮らしの高齢者は情報に疎く、防犯意識が弱いということだ。內外からの要因に挾まれ、高齢者は経済的にも精神的にも大きなダメージを受けている。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2013年8月22日