「第一線で勤務する人たちに最高の敬意を表する。お疲れさま、ありがとう。心ばかりの差し入れです。體に気をつけて。中國頑張れ!」7日正午、1人の外國人が弁當の差し入れを持って福州市中醫院や鼓樓區溫泉街道のコミュニティ衛生サービスセンターなどを訪れた。弁當にはピンクのメモが入っており、「阿拉丁」(アラジン)の名前が書かれていた。
「阿拉丁」は福州市の有名なトルコ料理店で、オーナーのアラジン?チョラクさんの中國語名である。レストランをオープンして5年になるアラジンさんは、福州市で生活して25年になる。
記者が福州市鼓樓區五四路にある信和広場1階のレストランでアラジンさんを見たとき、彼は廚房スタッフに100人前の真心セットを作るように指示しながら、トルコから輸入するマスクの狀況を電話で聞き、150平方メートルもない店內にはバーベキューとチーズの香りが充満していた。
非常時、レストランは営業を再開しておらず、トルコ人シェフも海外におり、従業員11人がいた店を3人で回し、人手が足りずにアラジンさん夫妻も一緒に作業している。
「感染癥の流行が深刻化し、10日も外出していない。自分に何ができるかと焦っている。」マスク越しに、アラジンさんは流暢な中國語でこう話した。コミュニティにレストランの臨時調理許可を申請し、感染癥の第一線で闘う人たちに食事を屆けることを思いついたという。
アラジンさんは、「春節後、多くの醫療、公安、コミュニティのスタッフが第一線で闘っている。仕事は大変で、食事が不便なため、彼らに溫かい食事を屆けたいと思い、自分にできることでもあると考えた」と話す。
ここ數日、アラジンさんは近所の醫療機関、コミュニティ、派出所、住宅管理當直室などに230人前の真心弁當を屆けている。また、一部の場所には事前に連絡せずに直接出向き、弁當を置いて帰った。
福州市鼓樓區溫泉街道の湯辺住宅には6400世帯、1萬6000人以上の住民、14人の住宅管理スタッフがいる。上層部から人員が追加派遣されたが、感染癥予防作業は激務で、責任者の陳華麗さんは、「忙しい時は食事する時間もなく、何曜日だかわからなくなるほど」だと話す。
アラジンさんは、「レストランにある材料に限りがあり、仕入ルートも中斷され、食事提供を長く続けるのは難しい。貿易の仕事を何年もしていたため、あるルートを通じて必要な人のためにマスクなどの物資を調達しようと考えた」と話した。
彼のレストランのテーブルには宅配便の袋が並べられ、どの袋にも20枚のマスクと3つのトルコ石鹸が入っている。
數日前、アラジンさんは福建省科技庁に連絡し、中國に殘っている外國人専門家と労働者にマスクとトルコ石鹸を無料で送りたいと申し出た。彼はトルコ國內の知人に仕入先を探してもらっただけでなく、自分でも100社以上のトルコのマスクメーカーに連絡し、需給を突き合わせ、発送を進めている。「価格がどうであれ、とりあえず買う」とアラジンさん。
これほど深刻な狀況にも関わらず、秩序が維持されていることにアラジンさんは感心した。醫療スタッフと末端の労働者は殘業し、庶民の基本的な生活物資が保障されている。
1975年生まれのアラジンさんは中國武術が大好きで、イスタンブールで中學校に通っていた時に武術を6年間學び、ブルース?リーにあこがれている。1995年に福州大學に留學し、中國語と國際貿易を専攻し、現在は商売をしながら博士課程を學んでいる。
アラジンさんの妻の林さんは福州市出身で、大學で知り合い、家族になりビジネスパートナーになった。彼女は、「夫は正義感が強く、國內で災害が発生すると、寄付や手助けができないか考える」と話す。
中國とトルコの民間友好の発展を推し進め、公益事業に取り組むアラジンさんは、2019年に「福州市栄譽市民」の稱號を取得した。アラジンさんは、「福州は水が多く、木が多く、空気がきれいで、生活しやすい町。近いうちに福州內河公園のガジュマルの木の下で、將棋を指したりジャスミン茶を飲んだりする人たちがまた見られるようになるだろう」と話した。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2020年2月11日