恒大研究院の院長でチーフエコノミストである任沢平氏は先ほど、微信公衆號(WeChat公式アカウント)で「まず3人目までの出産許可を:中國人口報告書2020」と題した記事を掲載した。記事は、中國では出生數が減り、高齢化のペースアップを迎えていることから、少子高齢化対策として全面的な3人目までの出産許可を早急に認めるべきと主張した。
その後、この観點はネット上で物議を醸した。現時點で、微博(ウェイボー)の関連する話題のPV數が5億4000萬にのぼっている。多くのネットユーザーが、子育てにかかる費用が高すぎ、「2人でも養えないのに3人なんて」とコメントしている。住宅、教育、醫療、介護の多くの圧力を受け、人々の出産の意欲が大幅に低下していることは、もはや異論の余地なき事実だ。
中國で少子高齢化が加速、経済の潛在的な成長率が低下
任氏は記事の中で、中國で近年出生數が減少しており、2018年に200萬人減った後、2019年にさらに58萬人減り1465萬人になったと指摘した。長期的な流れを見ると、2030年には1100萬人未満になる見通しだ。2019年は減少幅が大幅に縮小したが、その主な原因は主力となる出産可能年齢の女性の減少だ。うち1人目と2人目の出生數の減少幅がいずれも2018年より大幅に縮小した。
出生率の低下に伴い、中國で高齢化のペースが上がっている。中國の出生數は2019年に1465萬人に減少し、65歳以上の人口が占める割合が12.6%にのぼった。任氏は「この數値は2022年に14%に上がる。中國は深刻な高齢化社會に突入する。2033年頃には20%以上の超高齢化社會に突入し、その後持続的に急上昇し2060年には約35%にのぼる」と予想した。
発展の流れを見ると、中國の高齢化のペースと規模は空前絶後だ。出生率の低下と壽命の延伸に伴い、高齢化は世界の普遍的な現象になっているが、中國は長期的に計畫生育を行っていたことから、高齢化のペースがその他の國を上回る。
任氏は、「人口のボーナスが失われ、中國の消費構造に変化が生じることで、経済の潛在的な成長率が低下する。人口要素の変化は緩慢だが、大きな勢いを持つ。少子高齢化問題はすでに、21世紀の中國が直面する最大の灰色のサイの一つだ。調整を急がなければ民族復興、大國の臺頭に深刻な影響が生じる」と判斷した。
人口學専門家「3人目の許可に大きな意義なし」