中國語版の自著を持つSayedさん。
Sayedさんのアラビア語の著書の表紙。
新型コロナウイルスの全ての被害者、新型コロナウイルスと民族主義というウイルスの影響を受けている全ての人、真実を擁護する全ての人、真実を堅持し、そのために闘う武漢の全ての市民、世界の全ての人へ送る書籍「堅定——一個外國人的武漢日記(Confidence Comes from Effectiveness: A Foreigners Wuhan Diary)」の中國語版と英語版がこのほど出版された。著者である華中科技大學経済學院で計量経済學(博士課程)を専攻するレバノン人のAdham Sayedさん(32)は、今年の新型コロナウイルス流行期間中、湖北省武漢市を離れることなく、そこにとどまり続けた。この書籍に、Sayedさんは武漢がロックダウンされ、自宅隔離をしていた時に見たこと聞いたこと、感じたことを綴っている。長江日報が報じた。
筆者は表紙にデッサンで描かれている男性の顔に目を引かれた。その男性は著者のSayedさんでマスクを著用して、耳にはイヤホンがぶら下がっている。Sayedさんは、「ロックダウン中の武漢の街中でライブ配信をした時の絵」と説明。彼のSNSのフォロワーがイメージするSayedさんの姿でもある。
ロックダウン中の武漢からアラビア語でライブ配信
Sayedさんは5年前に武漢に留學。修士の學位を取得した後に、華中科技大學の博士課程に進學した。
「レバノン人留學生Adham Sayedさんは今週、中國の武漢で博士論文を完成させるところだった。しかし、彼を迎えたのは靜かな春節(舊正月)ではないことに、突然気付いた」。これは、今年1月30日付けの「アジア?タイムズ」のSayedさんに関する記事の一部だ。
その後數日間、Sayedさんは海外のSNSでは武漢に関するたくさんのデマや新型コロナウイルスに関する噓のデータが広がっているのを見て、一人でも多くの人に武漢の本當の狀況を知ってもらいたいと思い、フェイスブックの自身のアカウントを通して、自分の目で見た現実を伝えることを決めた。
武漢が「ロックダウン」されて5日目、Sayedさんはフェイスブックにアラビア語で武漢に関する初めての投稿をアップすると、ネット上で大きな話題となった。そして、ネットユーザー數千人がフォローし、Sayedさんとメッセージをやり取りするようになった。翌日、Sayedさんはマスクを著用してイヤホンをぶら下げ、街中に出て、フェイスブック上で「ライブ配信」を行い、ネットユーザーの疑問に答えた。
Sayedさんは書籍の中で、「スマホを持って、水4本を歩道の橫において、ライブ配信を始めた。5リットル入りの水を4本買うことができて、とてもうれしい。店の人に1本50元(1元は約15.9円)、60元、または70元と言われるのかと思っていた。もし、そんな値段でも僕は買っていただろう。でも、店の人に言われた値段は1本10元。つまり、新型コロナウイルス流行の危機の前と同じ値段で、4本で40元だった!」と振り返っている。