答 胡錦濤國家主席が調和の取れた世界を構築するという理念を打ち出して以降、この主張はますます世界各國から高く評価され、また関心が集まっている。調和の取れた中國から調和の取れた地域、そして調和の取れた世界に至るまで、中國は世界に向けて1つの古い文明國が選択した平和的な発展の道を示してきた。 調和の取れた世界という理念は、中國の伝統的文化の基礎に根づいたものであり、この構想は外交を通じて中國の國家利益を世界各國の人びとの根本的利益と結合する、という願望を具體的に示すものだ。互恵協力を通じて、中國は隣國、アジアないし國際社會全體のために新たな発展の機會をもたらすことができるだろう。 世界は、異なる民族、異なる國、異なる文化から構成されており、調和の取れた世界の構築は、少數の國が実現することができるものではなく、世界各國がその大小、強弱、貧富にかかわらず、緊密に団結し、共に守ることが必要だ。われわれが主張している調和の取れた世界とは、平和で安定した世界、民主的で公正な世界、互恵と協力の世界、開放的で寛容の世界である。このような世界では、各國が互いに信頼し合い、仲良くつき合い、公平で効果的な安全メカニズムを通じて、世界の平和と安全を共に維持する、というものだ。 中國は調和の取れた世界を積極的に提唱している國であり、その実踐者でもある。中國は世界でも接する國が最も多い國で、そこには大國もあれば、小國もあり、先進國や発展途上國もある。周辺諸國は中國の外交戦略で重要な一部であるため、まず調和の取れた周辺関係を構築し、その関係をうまく進めていかなければならない。これが調和の取れた世界に対する重要な貢獻となる。そのため、関係諸國と交渉を行って國境の紛爭問題を積極的に解決してきた。1999年以來、ロシアとは4300キロに及ぶ國境畫定の問題を解決し、ベトナムとの間では、前後して陸地の國境、トンキン灣の國境畫定と漁業問題を解決した。インドなど國境を接する國と相互信頼関係を確立したことで、國境地帯の平和と安定は維持され、両國間の國境交渉も円滑に進んだ。南沙諸島の問題では、主権は中國に屬するが、「紛爭は棚上げして、共同で開発する」ことを堅持する前提の下で、できる限り関係諸國と合意するようにし、領土紛爭による武力衝突の可能性を減らしてきた。 このほか、中國は國際問題でより多くの責任を擔っている。これまでに、延べ6000人余りの平和維持部隊を派遣しており、國連常任理事國5カ國の中で人數は最も多い。またインド洋の地震、米國のハリケーンなど自然災害に見舞われた國や発展途上國に対し、力の及ぶ限りの援助を行ってきた。調和の取れた世界という理念を提唱したことで、中國は世界の絶対多數の國と良好な関係と協力を維持しており、國連など國際組織や東南アジア諸國連合(ASEAN)などの地域組織の中でも、重要な役割を発揮している。イランや朝鮮の核問題の平和的解決を推進し、公正かつ合理的な新たな國際政治経済秩序の確立も提唱した。 中華文明は昔から善隣と和睦を重んじてきた。われわれが調和の取れた世界の構築と推進を提起したことは、今日の世界の発展の流れと各國の人びとの共通の利益や願望に合致するものであり、政府と人びとが世界の平和と進歩に力を盡くす強い信念を具體的に示すものでもある。歴史が教えているように、チャンスとチャレンジが共存する重要な歴史的時代において、世界のすべての國が緊密に団結し、チャンスを共に捉え、チャレンジに対応しさえすれば、人類社會の発展のために明るい未來を創造することができ、恒久の平和と共同の繁栄という調和の取れた世界を真に構築することができる。 「チャイナネット」2008年3月 ? |