乗客286人を載せた中國東方航空MU178便が19日、上海浦東空港に向けて新潟を離陸した。乗客の中には、パスポートが大津波で流された95人の中國人もいた。駐新潟中國総領事館は彼らのために「東日本大震災臨時帰國証明」を発給した。浦東空港ターミナル人民警察は、95人の身元確認とともに入國手続きを進めた。同日午後2時頃、MU178便は浦東國際空港に到著した。無事祖國に到著した乗客たちには、まだ緊張感が漂い、不安げな様子だった。「震災臨時帰國証明」で帰國した95人は全員、浙江省溫州市から宮城県石巻市に赴き、海産物加工に従事していた。仕事中に地震が発生したため、全員、作業著とゴム靴姿のままで帰國した。
李さんは慘事を振り返り、「地震発生時、工場で作業していたが、大きな揺れがなかなか収まらずにパニックに陥った。30分ほどして、誰かの『津波が來るぞ!逃げろ!』と叫ぶ聲が聞こえ、そこにいた全員が持っているものを全て投げ捨てて狂ったように走り出した。津波の早期警報は聞こえていたが、こんなに早く來るとは思わなかった。とにかく高い所に逃げようと必死で走った。津波は私たちのうしろ6、7メートルに迫っていた。足元に近付いた海水のしぶきが作業ズボンに掛かった時は、両腳の力が抜けた。同僚の男性2人が助けてくれたので、何とか避難することができた」と語った。
浦東國際空港出入國検査所の人民警察は、航空會社と速やかに連絡を取って旅客関連情報を事前に掌握する一方、警察チームを緊急配備して臨時通路を開設し、きめ細かい業務と行き屆いたサービスで出入國検査業務に臨み、帰國客に対する入國手続を滯りなく進め、心理面でのケアにも前向きに取り込んだ。有効な措置と優れたチームワーク作業によって、通関業務に要する時間は大幅に短縮された。旅客の張さんは、「日本の地震は大変恐ろしく、我々は全員、一刻も早い帰國を望んでいた。出入國検査を擔當した人民警察の親切で完璧な業務態度から、大家族の溫かみが感じられ、大変有り難く思っている」と感激しながら話した。
「人民網日本語版」2011年3月22日