先月ドイツで開かれた女子ワールドカップ(W杯)で初優勝の快挙を成し遂げた日本女子サッカー「なでしこジャパン」。そんな日本女子サッカー界の將來を擔う「予備軍」の姿をぜひとも見てみたいと思い、深センで開催中のユニバシアード競技大會の會場に足を運んだ。
成績はどうあれ、日本大學生チームは全體の動きの速さ、守備隊形のすきのなさ、ショートパスの技術、素早いフォロー、ディフェンスへの戻りの速さなど日本代表チームから受け継いだプレースタイルに目をひかれた。身長が低いという日本獨特の弱點は近いうちに克服できるものではなく、大學生チームの2トップを擔う2人もいずれも157センチしかない。しかし、長年培ってきた技術や息のあったコンビネーションでそれをカバーし、芝生の上を走るボールはいつも日本チームが支配していた。試合を見ていた國際サッカー連盟(FIFA)のテクニカル?スタディー?グループ?メンバー郭家明氏(香港)や香港サッカー協會のテクニカルディレクター孫葆潔氏はともに日本女子サッカーのプレーを絶賛。この大學生で構成されている日本女子サッカーチームは、先月ワールドカップを制したなでしこジャパンの雛型ともいえる十數年前の日本代表チームと同レベルだという。これらは日本の小中學校が幅広く行っている女子サッカー活動によって基礎が據えられているからこそ成し遂げられるのであり、大學に入ってサッカーを始めてできるようなことでは決してない。
日本の女子サッカーが何十年もかけて進歩を遂げた道のりは決して平たんではなかった。世界の強豪に慘敗を喫したり、12年前にはワールドカップ決勝にも進んだ中國女子サッカーに圧倒されたりと、苦い経験を積んできた。しかし、彼女達がリベンジを誓ったり、短期間に成果を上げようと躍起になったりしているという話は耳にしない。彼女たちはただただ、日本サッカー発展のために設けられたさまざまな取り決め従って黙々と、そして著実に歩み、今日異なるレベルの試合で好評価が得られるようにまで成長してきた。そして「なでしこジャパン」が先月アジアサッカーで初めて世界一にまで上り詰め、日本の女子學生チームにもさらなる活力をもたらしている。
試合後日本女子サッカーチームの選手が負傷した仲間を背負って整列し、観客に向かってあいさつをした時、観客からは大聲援が起こった。この「予備軍」全員が未來の「なでしこジャパン」の一員になるわけではなく、また全員がそれを目指しているわけでもない。しかし學生時代から反骨精神を持って良い経験を積んでいるこれら「予備軍」の中から未來の「なでしこジャパン」が生まれることには違いない。これから引き続き世界の頂點を目指すかどうかにかかわりなく、彼女達は全員、「學生時代にユニバーシアード競技大會に出場し、不屈の精神を學び、サッカーの面白さを味わった」と胸を張って言えるはずだ。(中國共産黨の機関紙「人民日報」記者 汪大昭)
「人民網日本語版」2011年8月17日