中國最大の祭日「春節」(舊正月)を1週間後に控え、帰省するかしないかが多くの人の悩みの種となっているようだ。中國民政部(日本の厚生労働省に相當)の社會工作協會はこのほど、北京や上海、広州などの6大都市で、帰省に関するアンケート調査を実施し、帰省を望まない人が増加している原因を追跡した。結果、自慢できる収入がないなどの「経済的理由」や「仕事がうまくいっていない」、「結婚」などの要素が、その主な原因であることが明らかになった。その他、「休みが短すぎる」や「家庭を持ってから農村に帰るのは違和感がある」などと感じている人も増加している。中國のタブロイド紙「北京晨報」が報じた。
▽経済的問題や結婚問題が主な原因
同調査では、70%近くの回答者が「春節に帰省することで悩んでいる」と答えた。悩みの原因としては、鉄道などの「チケットが取れにくい」(83%)や「帰省時に持って帰る贈り物などの消費」(71%)、「実家が遠い」など客観的な要素がほとんどだった。一方、「家庭や感情の問題」と答えた人も35%いた。
北京で働いている劉さん(30、男性)は、もう何年も春節に帰省していないといい、その理由について、「何度も転職したが狀況が一向に好転しない。だから家族に合わせる顔がない」と語る。さらに、「自分を養うだけで必死で、帰省しても両親にあげるお金もない。それに春節に帰省すると親戚や友人の子供にお年玉をあげなくてはならない」と切実だ。
さらに、今も獨身の劉さんは、「帰省すると同年代の人たちはもう結婚して、子供を産んでいるため、両親から白い目で見られる。考えただけでもぞっとするので、いっそのこと帰らないほうがいい」と語った。このように劉さんの肩には、経済的狀況や仕事、結婚など多くの問題がのしかかり、結果として「帰省するのが怖い」という感情にさえなるようだ。