中國の都市部では近年、屋外で遊ぶ子供たちの姿が見られなくなっている。放課後、外で遊ぶ代わりに子供たちに人気となっているのは、テレビやパソコン、電子ゲームで、睡眠の時間までも削る子供もいるという。中國広東省共産黨委員會の機関紙「南方日報」が報じた。
「國際子供の日」である6月1日を目前に控え、中國児童センターは、米一般消費財メーカー「プロクター?アンド?ギャンブル」(P&G)の石鹸ブランド「セーフガード」と共同で、広州児童活動センターで、北京、上海、広州市、西安市(陝西省)、合肥市(安寧省)の5都市の小學生を対象にした「中國都市児童戸外活動狀況調査報告」を発表。上記の懸念すべき問題が明らかになった。テレビを見たり、電子ゲームをしたりする時間が5都市で一番多かったのは広州の児童だった。
▽小學生27.5%、外で活動する時間は1日「1時間未満」
同調査には小學生5400人以上が回答し、男女比率はほぼ1対1。月曜日から金曜日の間、屋外で活動する時間は平均約1時間にとどまった。また、回答者の27.5%が屋外で活動する時間は1日「1時間未満」と答えた。一方、テレビを見たり電子ゲームで遊んだりする時間については、12.45%が平日1日「2時間以上」と答え、夏休みや冬休みの期間となるとその比率は61.4%と約5倍にまで増加する。中國教育部は、子供は毎日少なくとも1時間以上屋外で活動するよう呼びかけているが、現狀はそれに遠く及ばないということがはっきり示されている。
屋外での活動は子供の健全な身心の成長を促すが、回答者の90%以上が屋外活動は「體質の強化」や「知識の幅を広げる」など自分の成長に多くの點で利點があると答えていることから、子供たち自身もそのことを自覚していることがうかがえる。また、87.4%が屋外での活動が「好き」、95.8%が「楽しくなる」と回答している。
このように子供たち自身も屋外での活動が有益であることを自覚しているものの、実際の日常生活では、親の指導不足や子供たちが直面している學業上のストレス、電子ゲームの増加など、さまざまな要因から、インドア派の子供たちが増加していることが、同調査によって明らかにされている。
「人民網日本語版」2012年5月30日