日の出の勢いの人気グルメ番組「舌尖上的中國(舌で味わう中國)」も、賛否両論の渦に巻き込まれる運命を避けることはできなかった。今や有名になった同番組のポスターをデザインした張発財氏は4日、中國版ツイッター「微博(ミニブログ)」で、畫家の許欽松氏が描いた山水畫「嶺雲帯雨」のデザインを、番組ポスターに無斷で使用したことを認めた。張氏は、「著作権問題について深く考えずに、ネット上に掲載されていた山水畫のデザインをポスター制作に使用した。報道を見てすぐに、原畫の作者と連絡を取り、心からお詫びの気持ちを伝えた」と話した?!副本妶蟆工瑘螭袱俊?br/>
「舌尖上的中國」のポスターには、中國の山水畫を彷彿とさせる雰囲気が漂っている。塩漬けにした肉を日陰干しや燻製にした中國の伝統食品「鋤?肉」を挾んだお箸と、さざ波のように続く「鋤?肉」の赤身と脂身の間を進む小舟。ポスターのデザインを手がけた張氏は人気ブロガーで、彼が編さんしている歴史にまつわる小話は、ネットで大人気だ。本職はデザイナーで、「舌尖上的中國」の腳本?演出を擔當した陳暁卿氏と懇意であったことから、同番組がカンヌMIPTV(テレビ番組?デジタルコンテンツ國際見本市)に出展する前にポスターの制作を陳氏から依頼された。張氏は、友情參加として特別に無償でポスター制作を引き受けたようだ。
張氏は、ポスターデザインのアイデアについて、「あの『山水鋤?肉畫』は、わずか4時間でデザインのコンセプトが固まった。陳監督からテーマに関する話を聞き、海外のコンペティションに參加する場合には、中國のエッセンスを外國人にアピールすることが必要だと感じた。もう一點、食べることはとどのつまり、極めて俗っぽい事であり、だからこそ、上品なスタイルでその俗っぽさを體現しようと思った」と語る。張氏はこのような発想から出発し、肉の赤身の部分で起伏のある山水を表現し、一組のお箸を加えた。陳氏もこのデザインを大いに気に入った。
「舌尖上的中國」の放映が大評判のうちに終了した後、広州の記者は、この「鋤?肉」が、中國美術協會副主席?広東美術協會主席を務める畫家?許欽松氏が描いた山水畫になんとなく似ているという気がした。すぐに許氏本人と連絡を取り、問題のポスター畫像を見てもらった。許氏は、このポスターに用いられているのは、自分が描いた「嶺雲帯雨」に相違ないと斷言した。ただし、畫像処理の過程で、モノクロの水墨が朱紅色に変えられ、重なり合った山々の隆起した山の峰は肉の赤身、靜かな水面は肉の脂身となり、水面に浮かぶ小舟は原畫のままだった。この事実を知った許氏は、怒るどころか、自分の絵が「舌尖上的中國」のおかげで一躍有名になったと非常に喜んだ。しかし、許氏は、「番組を制作した中國中央電視臺(CCTGV)とポスターデザイナーから連絡は受けていない。原畫の使用について私の同意を得てきたことはない」と指摘した。
このような経緯から、張氏は4日夜、謝罪の気持ちをミニブログで発表した。これによると、張氏は、ポスターの素材に最高と思われる畫を選んだ時、これは古人が描いた古い畫だと思い込んだため、著作権問題について深く考えなかったという。そして、「このことについて、非常に恥ずかしく思っています。そして、原作者の許欽松さんに直接謝罪をしようと、昨晩ご本人に連絡し、直接お話しました」と続けた。このミニブログは約3千回転送され、800件以上のコメントが寄せられた。直ちに自分の過ちを認め謝罪した張氏について、率直かつ誠意ある態度を褒める意見がコメントの大多數を占めた。
「人民網日本語版」2012年6月5日