莫氏が受賞するか否かについて、専門家の見方はまちまちだ。ノーベル文學賞に関する研究を長年続け、関連著作が多く、自身も旅行作家であるストックホルム大學の萬之教授は8日、「スウェーデン?アカデミーは、中國文學と中國人作家に久しく注目してきた。馬悅然氏は同アカデミー文學院の院士に選ばれた理由も、同院が、中國語に精通した専門家の力を借りて中國を正確に読み解く必要性に迫られたことが大きい。しかし、長い間、大陸部の中國人作家から受賞者が出ていないことは、本當に殘念だ」とコメントした。
萬教授は「ブックメーカーがサイトで発表した情報は、ややいい加減な憶測も混ざっている。しかし、今回の有力候補については、決して根も葉もない噂ではない」と指摘した。「紅高梁(紅いコーリャン)」や「天堂蒜薹之歌(The Garlic ballads)」など莫氏の作品は、スウェーデンの文壇で大変注目されており、スウェーデンの中國研究者Anna Gustafsson Chen(陳安娜)氏が翻訳した大作「生死疲労」は、折しも今年、スウェーデンで出版され、ヨーテボリ國際ブックフェアで評価された。このようなさまざまな狀況から見て、莫氏が受賞する確率は、村上氏を上回っているかもしれない。
北京大學の張頤武教授は「莫氏は、ノーベル文學賞受賞に最も近い中國人作家ではあるが、今年必ず受賞するとはいえない」との見方を示した。廈門大學人文學院の周寧院長は「ノーベル賞の選考作業は極めて厳格に行われ、経過や結果が発表前に漏れたことはない。莫氏が最有力候補であるという憶測は、メディアが騒いでいるにすぎず、受賞者の選考自體に対する影響はほぼ皆無だ」と語った。
「人民網日本語版」2012年10月9日