現在の中國経済の動向を見ると、為替レートの大幅な変動の條件は存在しない。近ごろ、中國の貿易黒字額は絶えず減少し、経常収支黒字がGDPに占める割合は2008年の9.9%から5.8%に縮小した。今年1-5月の動向を見ると、今年の貿易黒字額がGDPに占める割合は約2%まで下がる可能性が高い。こういった狀況下で、人民元には當然、大幅な変動、特に大幅切り上げの可能性はない。
どんな改革にもプラス點とマイナス點がある。プラス點を見ると、人民元の雙方向の変動は中國の輸入型インフレ圧力を緩和するのにプラスとなり、輸出企業の産業のレベルアップと転換を促す役割もある。マイナス點を見ると、人民元為替レート改革は短期的に一部の輸出型企業に困難をもたらす可能性もある。しかし2005年の為替レート改革以降の経験では、人民元は20%以上上昇したが経済に大きな悪影響はもたらされていない。為替レート改革は中國経済の構造転換、発展モデルの転換にとって、全體的にプラス點がマイナス點よりも大きいと言える。
為替レート改革は輸入企業にチャンスを與え、企業の輸入商品の価格は下がる見通し。また、中國の輸出企業も為替レート改革によってもたらされた試練に迅速に対応し、製品自身の付加価値や企業の収益力を高める必要がある。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2010年6月21日