「難題のない人生は無難な人生。難題のある人生は有難い人生。」生まれつき耳が不自由な娘に、母親がこう語る。これは北京第二外國語學院の學生たちが演じた話劇の一コマだ。物語の主人公は耳は不自由だが、母親の言葉を胸にいつでも「一番」を目指した。筆談ホステスとして、「自分でも人の役に立てる」ことに気づいた彼女は、周囲の興味本位な視線をよそにとうとう「銀座のトップ」に上りつめた。會場の観衆も涙を禁じえなかった。
北京第二外國語學院が主催したこの演劇大會は、1979年に始まり、伝統的なイベントとして今年で31回目を迎えた。日本語が堪能な數多くの學生がこの舞臺から輩出され、様々な分野で活躍している。今年、學部、大學院の各學年の學生たちは、「西遊記新編」、「結婚」、「幸せの黃色いヘルメット」、「羅生門」、「白雪王子」、「ブェニスの商人」、「空想少女」、「眠れる森の美人」、「筆談ホステス」、「シンデレラ」、「長靴を履いた貓」といった11の劇を披露した。學生たちの流暢な日本語と見事な演技が観衆の盛大な拍手、喝采を誘っていた。
日本大使館広報文化センターの臼井將人參事官、伊藤謝恩育英財団北京事務所の梅沢健一代表、日本文化センターの高橋耕一郎副所長、中國國際放送局日本語部の付頴部長、北京日本學研究センターの徐一平主任らが審査員として出席した。
大學院生による「筆談ホステス」は獨特なテーマ、群を抜いた演技力、心を揺さぶるナレーションで、一等賞を勝ち取り、最優秀腳本賞にも選ばれた。
チャイナネットは大會後、日本大使館の臼井參事官、現場で観賞していた日本人女性、そして、滑らかな日本語とすばらしい演技で最優勝女優賞を見事に勝ち取った三年生の滕越さんに感想を聞いた。
臼井參事官:とてもすばらしい演劇だった。皆さんは一つのチームとして、表に出ている人も裏にいる人も、一生懸命頑張ったことがよくわかった。
日本人女性:生徒たちのブレのない日本語にすごく感動した。また、皆さんのユーモアは素敵だし、本當にすごい。
滕越さん:賞が取れたのはちょっと意外的なことだ。これからも頑張って日本語を勉強し、自らの能力を鍛え続ける。私は勉強も大好きだし、自分の知識を他人に伝えることも大好きだ。將來は大學で日本語を教えるのが夢で、そのゴールに向かって一歩一歩頑張っていきたい。
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