米司法省がロシア「情報網(wǎng)」を摘発したと発表すると、米國民は一様に驚きに包まれた。米メディアの中には事件を「古風(fēng)な冷戦スリラー映畫」と表現(xiàn)するものもあった。実際には、たとえ冷戦中でも、これほど大規(guī)模なスパイ摘発は滅多になかった。現(xiàn)在のところ米政府は事件と米ロ関係との関連について固く口をつぐんでいる。米國務(wù)院報道官は問題を司法省に押しつけた。
米メディアの報道姿勢はさておき、事件摘発のタイミングには確かに考えさせられるものがある。先日ロシアのメドベージェフ大統(tǒng)領(lǐng)が訪米した際には、オバマ大統(tǒng)領(lǐng)の招待でワシントン近郊の小さな店でハンバーガーまで共にしていたからだ。この時の表面上のリラックスした様子、のんびりした様子と、その數(shù)日後の「スパイ団」の冷酷な摘発とは、極めて強烈なコントラストをなす。
実はこのコントラストは、角度が異なるだけで、まさに現(xiàn)在の米ロ関係の真の姿なのだ。米國は自らのグローバルな利益に立てば、対ロ関係を「リセット」する必要があった。同様の理由から、米國はロシアに対する警戒、防備、封じ込め、抑圧も放棄していない。米ロ間の表面上の笑顔は、締めつけと反締めつけの暗闘を隠しきれない。今回の大規(guī)模なスパイ事件に、人々は久々に冷戦の臭いを嗅ぎつけた。言い換えるなら、米ロ冷戦はある面、ある程度において、まだ終結(jié)していなかったのだ。事件のタイミングの微妙さは、かえってこの事実をよりはっきりと世界の人々に認(rèn)識させるものだ。
「人民網(wǎng)日本語版」2010年7月1日