◆日本の供給チェーンの位置は取って代わられるか
災害復興の遅れを受け、世界の供給チェーンの位置を他の國に取って代わられ、世界の生産メーカーが部品の生産基地を日本から他の國に移し、産業の空洞化が生まれるのではないか、日本企業の國際的な信用に傷がつくのではないかという聲が上がり始めている。
これについて、まず第一に、日本企業の現在の世界的な地位は努力の末に勝ち取った結果であり、一朝一夕で取って代わられることはない。過去10年間、中國など新興國の発展にともない、日本國內で移転できる低付加価値の生産はすべて発展途上國に移転され、現在存続している企業はいずれも高い技術力、研究開発力、生産力を誇る企業ばかりだ。規模はそれほど大きくはないが、いずれも日本しかないもの、なかにはその企業でしか生産できない、「一流の技術、唯一の製品」がある。
第二に、これらの生産技術をもつ企業はいずれも日本企業で、日本を離れることはない。ソニーのハワード?ストリンガー最高経営責任者(CEO)は、「ソニーをはじめ、大部分の日本企業が最も重要な技術革新を日本國內にとどめ、海外に移転しているのは組み立てや部品など低付加価値の生産工程に過ぎない。大きな災害が発生したからといってこれらの企業が日本を離れることはない」と語っている。
第三に、日本企業は部品生産の滯りによってある程度信用に傷がつくが、そうしたリスクは一時的なものだ。日本企業は品質を重視し、納期を守り、勤労で、いい訓練と教育を受けた人材が豊富だ。そのため自然災害によってすぐに國際的な信用を失くすことはない。日本が徐々に生産を回復できれば、信用はすぐにでも回復する。
災害後の日本が貧しい、二三流の國になると判斷するにはまだ時間が必要だ。
「中國網(チャイナネット)日本語版」2011年4月20日