19日にインドネシア?バリ島で開かれた東南アジア諸國連合(ASEAN)外相會議では南中國海問題が主要議題となった。記者會見ではASEANが「拘束力ある行動規範」を打ち出したかどうかについて質問が集中した。
バリ島上空に立ちこめる「南中國海問題熱」は明らかに中國をにらんだものだ。だが南中國海問題にはもう1つの大國、つまり米國の影もちらついている。昨年のASEAN関連會議でクリントン米國務長官が「南中國海の島嶼をめぐる領土係爭は米國の國益に関わる」と公言して以來、南中國海問題は激化し続けた。バリ島での會議の前には、米軍艦艇がベトナムを訪問。両國海軍による合同軍事演習は現在も続いている。間もなくバリ島に姿を現わすクリントン長官が今度はどんなご高説をぶつかに人々が強く注目するのも當然だ。われわれは2國間の係爭を多國間の場で扱うことに賛成せず、南中國海問題に外部の大國が手出しすることに反対する。これは中國が理に欠けるからではないし、ましてや何かを恐れているからでもない。われわれがこの主張を堅持するのは、問題を拡大化、複雑化させたくないというだけだ。
ASEANのごく一部の國と中國との間に領土や海洋権益をめぐる係爭があるのは客観的事実だ。一寸の領土でも神聖なのは、小國にとっても大國にとっても同様だ。問題自體がどんなに敏感でも恐れることはないし、ましてや解決できないということはない。非平和的手段によって領土紛爭を解決する時代はすでに過ぎ去った。早くも60年前にフランスとドイツは歐州石炭鉄鋼共同體の設立を推し進めることで歴史的宿怨に片をつけ、さらにこれを基礎に徐々に歐州統合への道を模索した。知恵に富むアジア諸國も同様に、南中國海の安定を的確に維持し、南中國海を平和の海、友情の海、協力の海にして、南中國海紛爭を早期に、徹底的に取り除く能力がある。
南中國海問題における中國の立場は一貫した、かつ鮮明なものだ。1980年代に中國は「係爭を棚上げし、共同開発する」という主張を打ち出した。中國はこの言葉通りに行動してきた。平和的協議と共同開発という原則的立場は、中國の時代観に由來する。トウ小平氏は平和と発展が現代の2大基調であるとの判斷に基づいて改革開放の偉業を切り開いた。中國は平和?発展?協力という時代の潮流をしっかりと捉えて、平和発展路線を確固不動として歩んでいる。経済成長の巨大な成果によって総合國力を強化したのみならず、中國人はさらに度量を大きくし、複雑な問題の処理においてさらに辛抱強くなり、「善隣、近隣関係の安定、近隣國との共同繁栄」という近隣外交政策を重要な外交思想にした。