米國の金融危機は未だ好転せず、歐州でも債務(wù)危機が勃発しており、短期間に米國が回復するのは難しい。資金がなければ、フルメタルの米軍はエンストした機械に過ぎない。不意に巻き起こった「ウォール街占拠」運動が全國を席巻していることも、ホワイトハウスに新たな戦爭を躊躇させている。
第3に、米國がより恐れているのは「中米関係の失敗」によって冷戦の成果を失うことだ。中米関係の重要性を強調(diào)する中國人はいくらでもいる。だが中國人は、米國人も中米関係を重視していることを見過ごしがちだ。中國が中米関係を重視するのは無論、平和的発展の時間を勝ち取るためだ。一方、世界管理を志す米國が中米関係を重視するのは、グローバルな安定の大局を見據(jù)えてのことだ。中國の関心の焦點は米國だが、米國の関心の焦點はブラジル、インド、インドネシア、ロシアなど全世界の臺頭國家群であり、政治的視野の幅が大きく異なる。中米関係が不安定化した場合、両國社會の各面が覆されるだけでなく、米國の世界戦略も大局に混亂をきたす。すると優(yōu)先的に注視すべきはずの戦略上の潛在的ライバルが機に乗じて臺頭し、米國は各方面に手の回らない危険な局面に陥るだろう。
中米関係は無數(shù)の問題を抱えるが、両國共に自國の利益をしっかりと計算しているのだ。クリントン米國務(wù)長官は最近発表した「アメリカの太平洋の世紀」で、今後10年間の戦略的重點をアジア太平洋にシフトすることに関し、「中米関係に失敗は許されない」と指摘している。中米は軍事対立まで事態(tài)を悪化させてはならないというのがその真意だ。さもなくば世界帝國という米國の野心は葬り去られてしまう。朝鮮戦爭は日本を臺頭させた。南中國海で戦爭が起きれば、ロシアが臺頭するだろう。
「人民網(wǎng)日本語版」2011年10月28日