ニクソン米大統領の初訪中と上海コミュニケの発表から40周年を迎える今年、習近平國家副主席が訪米する。中米共にこれを強く重視し、今回の訪問によって両國関係を修復し、「中米は共に困難を乗り越え、協調?協力を強化する」とのプラスのシグナルを世界に伝え、中米協力パートナーシップの構築を一段と推し進めることを期待している。バレンタインデーと時期が重なるため、今回の訪問は中米が「戀人」のような関係に発展することを意味しているとの冗談も聞かれる。(文:秦宏。人民日報海外版コラム「望海樓」掲載)
客観的に言って、中米関係の現狀から見れば、中米が「戀人」になることはあり得ないし、「敵」になることもあり得ない。むしろ、性格は全く異なるが同じ舟に乗り合わせたために助け合わなければならない、旅の道連れのようなものだ。協力もあれば、競爭もある。
40年余りの実務協力と困難なすり合わせを経て、中米関係は現在の世界において最も重要かつ最も活力と発展性を備えた二國間関係の1つになっている。両國の利益は深く融合し、協力は日に日に拡大している。上層部の會談も頻繁だ。両國は世界金融危機による打撃の食い止めや、気候変動対策、テロ対策、拡散防止、海賊取り締まりなど地域や世界規模の重大問題において協力をたゆまず強化している。両國は閣僚や高官レベルの対話を毎年數多く開催している。各當局間の協力枠組みは60以上に上る。1979年から2011年までに相互貿易額は180倍以上の伸びを示した。米國にとって中國は最大の債権國であり、11年連続で最も急成長する輸出市場となった。在中米國企業の60%は中國で世界平均を上回る利潤率を上げている。中國にとって米國は最も主要な外資、技術導入先の1つで、最大の輸出相手國だ。毎日5000人以上が太平洋両岸を往き來しており、両國間の留學生數は毎年10萬人に達している。中米間にはすでに、一方が損害を被ればもう一方も損害を被り、一方が繁栄すればもう一方も繁栄する関係が築かれている。當初中米関係に対して最も楽観的な見方をしていた人ですら、中米関係が今日の水準にまで発展するとは予想しなかっただろう。
その一方で、中米はそれぞれ世界最大の発展途上國と世界最大の先進國であり、社會制度、イデオロギー、文化伝統、発展段階、物事のやり方が全く異なり、相互関係に矛盾や溝が生じることも避けがたい。特に現在世界は大変動、大変革、大調整という新たな段階にある。世界の各勢力の消長、中米関係の一層の対等化、中米雙方の深いレベルのモデル移行、外交政策の変更余地の減少、さらに米大統領選の要素もあって、現在中米間の衝突が激しくなっていることも理解できる。