米國の國務省と國防総省は18日に発表した報告書で、衛星と関連部品の輸出規制の緩和を議會に要請した。表面的に見ると、米政府のこの方針は経済的利益と安全保障上の利益の雙方に配慮したものだ。數十萬種の部品を軍用品としての輸出規制対象から外すことは、米企業のグローバル競爭の展開、オバマ政権の「輸出倍増計畫」実現に資する。対中輸出規制の継続によってハイテク製品の中國流入を制限し、中國に対する技術的優位性を維持し、中國の発展を抑え込むという全體的戦略を有利に運ぶことができる。(文:肖鉄峰?軍事科學院世界軍事研究部研究員)
だが客観的に見ると、この報告書はたとえ承認されたとしても、こうした米國の「蟲のいい計算」の現実化の助けにはならない。その理由は2つある。第1に、対中輸出規制を継続しつつ、他國への規制緩和によってハイテク製品輸出を大幅に増やすことは不可能だし、米産業界のグローバル競爭力を高めることもできない。第2に、中國の科學技術発展は主として中國人自身の努力によるものだ。中國にとって外國からの科學技術導入は、科學技術の近代化を進めるうえで助けにはなるが、決定的要素ではない。対中輸出規制を継続しても、中國の科學技術の進歩と國家の発展を抑え込むことは不可能だ。
根本的に見ると、対中輸出規制を緩和して初めて、米國のロジックと言動は一致する。第1に、そうして初めて対外貿易、特に対中貿易額の大幅な増加が可能になる。米國の対中貿易赤字が大きい主たる原因は、いわゆる人民元が過小評価されているからでは決してなく、米國が衛星技術などハイテク製品を中國に輸出しようとしないからだ。第2に、そうして初めて米高官の言動は前後で一致する。近年、大統領を始め米政府高官は対中輸出規制を緩和する方針を繰り返し述べているが、今にいたるも実現しておらず、米高官の発言の信頼性に疑問を抱かせる結果となっている。
「人民網日本語版」2012年4月24日