今後5-10年間の中國にとって最も困難な課題は、國內の比重が明らかに大きい。だが大きな國際環境を切り捨てることはできない。國內外の問題の相互作用は確実に一層活発化する。中國は國境線で鉄壁の守りを固めているが、開放された大國にとって、國境は時に名前ばかりの存在でもある。外部勢力はすでに非常に入念な対中牽制を行っているうえ、中國を「引きずり下ろす」幻想と衝動を抱くこともしばしばだ。(環球時報社説)
中國外交の核心的意義は自らの発展の環境を守り、広げ、対外開放による利益が弊害を常に上回るようにすることだ。だが中國の持続的臺頭に伴い、中國と多くの関係の性質はパワーバランスの変化による試練にさらされており、外の世界の対中姿勢が次第に複雑化することは避けがたい。
中國外交の民意に対する尊重は國家の民主化プロセスの要であり、これは民衆の世界観を世界構造の変化に追いつかせるうえで極めて重要だ。だがどの國においても、民意と國益を精確に整合させることは困難だ。このため各國の外交はいずれもポピュリズム傾向があり、中國も今後似た感じになるだろう。だが中國は將來の國際構造の変化における最大の推進力であるため、國際摩擦の集中する場所の1つになることが必至だ。中國社會の実事求是の姿勢と理性を世界の平均水準より高める必要がある。さもなくばわれわれは対外衝突の泥沼にはまり、國內の難題に対処するための精力を大幅に削がれるだろう。
中國社會は揺るぎない共通認識を持ち、必ずや次々と出現するであろう突発的危機による衝撃をそれらが受けないようにし、かつわれわれが肝心要の時に激しい感情の中から常に自らを引き戻し、酔っているのではなく冷靜な頭で鍵となる政策を打ち出すための助けとなるようにする必要がある。
第1の共通認識:中國の抱える難題の多くは國內にあるが、中國の発展継続にとって鍵となる條件の多くは外の世界にある。中國の資源供給、経済のハイエンド循環は外部との関係に高度に依存しており、これがロシアのように「萬事人に頼らず」は不可能であることを決定づけている。外部と全體的に良好な関係を保つことが中國の基本國策でなければならない。揺るぎない原則を持つとともに、実力を踏まえた弾力性と柔軟性を強化する必要がある。
第2の共通認識:中國は経済規模で世界第2位だが、1人當たりの所得は低めという特殊な移行期にある。われわれの自己認識も外部のわれわれに対する見方も揺れ動いて定まらない。自らの利益を守るためにどのように力を使うかについて、われわれは経験を欠いている。これは外部勢力との複雑かつ敏感な相互作用の過程であり、われわれは互恵とウィンウィンに努めるが、常に勝つことは不可能だ。