「私は大學の時に毛沢東の『矛盾論』を勉強した。物事を行うには主要な矛盾をつかまねばならない。現在の主要な矛盾は安倍右翼政権に反対することであり、主要な矛盾を解決するためには、日本國內および全世界のあらゆる団結できる勢力と団結し、安倍右翼政権の危険な行動を共同で阻止しなければならない。『星星之火,可以燎原』(小さな火花も、広野を焼き盡くすことができる)だと信じている」。
こう語るのは、今年65歳の藤田高景という名の日本人。藤田氏は京都に生れ、慶応大學卒業後、日本の有名企業に入社。社民黨平和市民委員會事務局長を務めた。2009年に社民黨から衆議院選に出馬したが、殘念ながら落選した。だが藤田氏はこの敗北によって政治活動の歩みを止めるどころか、さらに活発に社會政治活動に攜わってきた。
人民日報記者は2012年9月28日に藤田氏と知り合った。その日、日本各界の見識の高い人々が參議院議員會館に集まり、野田佳彥首相(當時)が中國の釣魚島(日本名?尖閣諸島)を不法に「國有化」したことに強い不満を表明した。藤田氏の同日の発言は記者にとって大変印象的だった。その後記者は國會議員會館、デモや集會の現場、シンポジウムなどで繰り返し藤田氏と會った。大柄ではない體に、資料でいっぱいのリュックを背負っている藤田氏の姿は、人々の中から一目で見つけることができる。昨年以降、そのリュックが重みを増したように見える一方で、藤田氏が慌ただしさを増していることに記者は注目した。
藤田氏は「2012年末までの民主黨政権は多くの問題があったものの、リベラル、中道の政治家が多くおり、歴史問題において相対的に正しい認識を持つことが基本的にできた。だが2012年12月に首相に返り咲いた安倍晉三氏はどんどん右傾化し、侵略の歴史を直視せず、『侵略定義未定説』をぶち上げたうえ、A級戦犯を祀る靖國神社を頑迷にも參拝した」と語った。この1年余り、藤田氏は生活面でも多大な影響を受けた。第2次安倍政権発足以來、藤田氏が毎朝起床して最初にすることは、安倍政権が昨日どのような右傾化発言を行い、どのような反動政策を打ち出したかを直ちに把握するため、新聞、テレビ、ネットで様々なニュースに目を通すことだ。たとえ週末でも、家で調べられない資料があれば、わざわざ東京まで出向く。國會図書館は藤田氏がしばしば訪れる場所となった。