文＝中國外文出版発行事業(yè)局局長　周明偉

Ｇ20での両國指導(dǎo)者會談が契機

Ｇ20杭州サミットで、習(xí)近平國家主席と日本の安倍晉三首相の３回目となる會談が実現(xiàn)した。これは中日両國の最高レベルの直接対話であり、雙方が両國関係中の問題をいっそう正視し、中日関係を正常な発展軌道に乗せるために努力している時期に行われた會談だった。

安倍首相との會談の中で、習(xí)主席は、中日両國が従來からの問題をしっかり管理し、新たな問題の発生を防止し、障害物を取り除かなければならないと指摘した。この言葉は、現(xiàn)在の中日関係を難しくしている重要なポイントを捉えており、また解決の道を指し示している。

目下の中日関係の現(xiàn)実から見ると、領(lǐng)土問題にしろ歴史認識にしろ、これら従來からの問題は抜本的に解決されておらず、また両國関係に持続的にマイナスの影響を與えている。同時に、近年來の中日の政治や経済、民間交流のいずれもが後退、停滯の狀況にある。特に今年、日本は各種國際的な場で南海問題についてみだりに評論を加え、多くの無責(zé)任な発言をして、南海問題を複雑にしている。これら絶えず大量に出現(xiàn)する新たな問題は、両國関係改善をいっそう阻害している。さらにまた、例えば日本の防衛(wèi)事務(wù)政策の調(diào)整や防衛(wèi)事務(wù)観念の変化、米國のアジア回帰戦略に合わせた一部の行動は、もし処理が妥當(dāng)でなければ、直接あるいは間接に中日関係の前向きな発展を妨害する障害物になるだろう。

こうした狀況に基づいて、習(xí)主席は「中日関係は現(xiàn)在、坂を上り苦境を乗り越えようとたゆまぬ努力を続けているところであり、進まなければ後戻りしてしまう重要な鍵となる段階にある」と指摘した。苦境を乗り越えるためには大きな力を注がなければならず、雙方が心を一つにして力を合わせることが必要で、同じ方向を向いて努力してこそ低迷を抜け出し、障害を乗り越えられる。もし、現(xiàn)在の狀況を改善していかなければ、中日関係はさまざまな面でより大きく後退してしまうだろう。

中日の経済?貿(mào)易関係においては、もし現(xiàn)在の問題を解決する方法がなく、戦略的互恵関係措置がなければ、中日の貿(mào)易はより多くの面倒に直面することになる。民間の付き合いもしかりだ。「東京－北京フォーラム」の世論調(diào)査は、雙方の國民の相手國に対する好感度は

すでに數(shù)年続けて低迷狀態(tài)にあり、今年も明らかな改善の兆候は見られないことをはっきり示している。そして、中日間の國民感情は、中日関係の長期にわたる発展であれ現(xiàn)在の問題の解決であれ、いずれにも重要な基礎(chǔ)なのだ。

この深刻な現(xiàn)実に対して、中日雙方は真剣に考え、適切に対応することが必要だ。

一方、われわれは、もし中日関係が順調(diào)に苦境を乗り越えることができれば、両國の眼前には明るい希望が出現(xiàn)し、中日國交正常化以來の新たな発展の局面を迎えられるかもしれないことを見て取らなければならない。現(xiàn)在、東北アジア地域、アジア地域の國際事務(wù)における重要度は不斷に高まっており、中日両國の責(zé)任もそれに伴って重さを増している。もし中日関係というこの大きな船を引き続き前進させられれば、地域や世界経済の発展であれ、國際政治の安定であれ、いずれにも積極的、重要な影響を與え、新たな機會と余地をもたらすだろう。

習(xí)主席と安倍首相の會談の意義は、そのアプローチが雙方指導(dǎo)者が両國は引っ越しのできない隣國関係にあると意識していることにある。これは中日雙方をより理性的にし、より実際的にし、より戦略的な観點で問題をしっかり処理させるものだ。今回の會談では、２０１４年に両國が四つの原則的共通認識に合意したのに続き、中日関係の発展に非常に重要な新たな思考を打ち出した。

従って、習(xí)主席と安倍首相がＧ20杭州サミットの機會を利用して會談を?qū)g現(xiàn)したことは、両國関係の発展に非常に重要だと私は考える。二人の指導(dǎo)者は高みを制して見下ろすように、中日関係が歴史的な鍵となる時期にあることとその基本的な特徴を見て取った。今回の會談が具體的に示した実務(wù)精神は今後の中日両國の政治、経済?貿(mào)易、人的?文化的交流に多くの新たな契機をもたらすことになるだろう。これは雙方の指導(dǎo)者が共に努力した結(jié)果であり、また中日関係発展が今日のこの節(jié)目に至って、歴史が両國に與えた責(zé)任と機會でもある。