獨ベルリンの歐州政治學者であるミヒャエル?シュミット氏は23日、環球時報の記者に対して「マンチェスターのテロ事件は、2015年11月にパリのコンサートで起きたテロ事件を連想させる。しかし前者は主に若者をターゲットとし、後者は大規模な行動で、外部でもテロを起こしていた。歐州でテロが相次いでいるが、これには2つの原因がある。まずは外部の原因だ。イスラム國の中東での勢力が縮小を続けているが、そのテロは歐州に蔓延している。また『ローンウルフ』を育成することで、混亂を引き起こす機を伺っている。次に內部の原因、すなわち歐州にまとわりつくさまざまな危機だ」と指摘した。
英メディアによると、英國はこれまでも潛在的なテロの脅威にさらされてきた。英デイリー?エクスプレス紙によると、英國が輸出する「聖戦の戦士」の數はすべての歐州諸國を上回っている。イラク?シリア情勢の影響により、「聖戦」に參加した多くの武裝人員が英國に流れ、英國の國家安全の大きなリスクとなっている。彼らは行動の機を伺っており、常に爆破や各種テロ事件を起こす準備を整えている。英國警察當局が過去5年間で処理したテロ関連事件は600件以上に達する。英國警察當局は2013年下半期から現在まで、英國での各種テロを15件阻止している。英議會近くで今年3月にテロ事件が発生し、5人の死者、50人以上の負傷者が出た。英國のテロ対策部門は、英國はこの40年間で最も深刻なテロの脅威にさらされていると判斷した。歐州全體がテロの厳しい情勢に置かれるなか、英國も大きな圧力を受けている。英國のテロ対策専門家は「過激な思想の影響を受けた人員が英國に潛伏し、ローンウルフによるテロの脅威が拡大している」と分析した。英MI5のアンドリュー?パーカー長官は記者に対して「英國はテロの現実的で直接的な脅威にさらされている。警察當局と情報活動員は全力を盡くしているが、すべてのテロの野望を阻止できないことも理解している」と強調した。
中國現代國際関係研究院の馮仲平副院長は、環球時報の記者に対して次のように述べた。 テロリストは人が集まる場所でテロに及ぶ。歐米諸國にとってこれは大打撃で、これまの安心感が打ち砕かれた。歐州は経済問題、高失業率、テロ多発という3つの危機に直面しているが、現時點では理想的な解決方法が見つかっていない?,F在はポピュリズム、排外主義、テロが重なり、影響し合い、負のスパイラルを形成している。今回のテロの被害者の多くが2000年頃に生まれた英國人であり、アイルランド共和軍によるテロ事件の時代を知らない。そのためテロはこれらの若者により大きなショックを與える。また感覚的に、歐州ももはや安全ではなくなった。國外の若者が歐州の大學と勤務先を選ぶ際には、慎重に検討する必要がある。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2017年5月24日