香港?澳門住民が粵港澳大灣區の大陸部都市で住宅を購入した場合、大陸部住民と同等の待遇を受けられるという措置が発表され、注目を浴びた。
都市が発展するためには、人材を集める必要がある。研究によると、流動人口が1%増えると、地域のGDP成長率を平均で0.54%押し上げるという。流動人口の経済発展への寄與は、沿岸部でより顕著だ。政策の規制緩和により、香港?澳門の専門人材(會計士、醫師、一部のテック革新産業の人材)の大陸部での勤務?定住を促進できる。その一方で、大陸部で勤務しているが政策の規制により住宅を購入できなかった人々(火曜日に香港?澳門から大陸部に移動し働き、金曜日に大陸部から香港?澳門に帰るなど)が、大陸部で安心して生活?勤務できるようになる。彼らの多くが良好な教育を受け、専門的な能力を持ち、高所得だ。大陸部に技術や知恵、それから先進的な生産ツールをもたらすほか、速やかに労働市場に進出し生産?消費を開始でき、現地経済に潛在的な成長をもたらす。香港?澳門の優秀人材が大陸部に定住することによるメリットは短期的には見えてこないが、現地住民は経済の全體的な成長による利益を長期的に手にすることができる。
香港と澳門には國際的に有名な多くの大學があり、高い科學研究能力を持つ。香港?澳門の優秀人材を大陸部で定住?勤務させると同時に、香港?澳門地區の法制?言語?文化?教育環境などのグローバル化と利便性を利用することで、國內の科學研究の革新力を高め、國際市場をさらに切り開くことができる。これは「広州―深セン―香港―澳門」科學技術革新回廊の建設を促す。
さらに香港?澳門の高級革新人材、あるいはエンジェル投資家とベンチャーキャピタル関係者は、各地が必要とする人材だ。仕事に困らない彼らを粵港澳大灣區に招くためには優れた政策や待遇だけではなく、より多くのビジネスチャンスを創出し、安心して生活?勤務できる環境と雰囲気を提供することがより重要だ。
この人材導入方法については、世界でも多くの先例がある。デンマークとスウェーデンの國境地帯、エーレスンド海峽大橋で結ばれる「エーレスンド地域」には、両國の大學9校があり、16萬5000人の學生、1萬2000人の研究者がいる。彼らはここで関係を作り、協力している。多くの研究プロジェクトが地域の制限を超越し、より低いコストとより豊富な人的資源により展開される。スウェーデンはその他の歐州大陸諸國に直通する新ルートを手にした。デンマークのコペンハーゲン空港は北歐諸國の中で最も利用者の多い國際空港だが、これも「エーレスンド地域」の移動により便利な選択肢を提供した。コペンハーゲンの市民は近隣都市マルメの割安な資源、特に広々とした快適な住宅を手にした。これらの條件と雰囲気により、デンマークとスウェーデンの科學研究協力がさらに発展した。「エーレスンド地域」は歐州北部の科學研究センターに発展し、歐州から大量のハイテクプロジェクトの投資を導入した。例えばスウェーデンのルンドは、価値にして14億ユーロ相當の中性子源「ESS」の誘致に成功した。
デンマークとスウェーデンが人材導入により各自の経済と科學技術を発展させることができたのだから、粵港澳大灣區內でも各都市の市民を融合させ「大灣區人」にすることが可能なはずだ。これは人と物の交流のほか、粵港澳大灣區の経済?科學技術の発展を促進できる。(筆者?梁海明 海南大學「一帯一路」研究院長)
?中國網日本語版(チャイナネット)? 2019年11月30日