産経新聞の報道によると、日本の航空自衛隊初の宇宙部隊「宇宙作戦隊」が5月18日に発足した。「宇宙作戦隊」新設の意図は何か?宇宙の軍事利用という趨勢は不可避なのか?軍事専門家の喬良少將は人民網の単獨取材に「日本のこの行動は近く到來する宇宙の支配権爭いの前に一角を占めるためであり、宇宙の軍事利用はすでに趨勢となっている」と指摘した。
■日本の「宇宙作戦隊」は米側と情報を共有
共同通信社の報道によると、「宇宙作戦隊」は米宇宙軍と米航空宇宙局(NASA)から支援を受けている。防衛省は米軍、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で宇宙監視システムを構築するほか、宇宙分野に精通した自衛官の養成を検討する。日本はまた、米側と協力し、情報を共有する。
喬氏によると、日本の「宇宙作戦隊」新設は、表面上は非戦闘目的で、宇宙ゴミや隕石の狀況の監視が中心であり、まるで宇宙清掃隊だが、実際には2つの目的がある。一つは近く到來する宇宙の支配権爭いの前に一角を占めることであり、もう一つは米國が昨年新設した宇宙作戦部隊と連攜して中露を牽制することだ。
喬氏によると、日本は宇宙大國として出現する力はないため、自らの限界を考えて米國と協力することを選択した。だが、現時點で「宇宙作戦隊」は自らの力で余り大きな影響を生むことはできず、何かをしようと準備しているというよりも、まだ「姿勢を示した」に過ぎないといえる。
■日米の情報交換と緊密な協力は他の國々の安全保障に潛在的リスクをもたらすか
日米の情報交換と緊密な協力は他の國々の安全保障に潛在的リスクをもたらすだろうか?この行動は宇宙の軍事利用という趨勢を加速させるだろうか?喬氏は「將來戦爭が発生した場合、宇宙は最も重要な戦場となる可能性もある。宇宙の軍事利用という趨勢はすでに不可避のようだ」と考える。
米國が煽り立てる中、近年世界中で宇宙の軍事利用のうねりが起きている。日英露仏などの國々はすでに一定規模の宇宙作戦部隊を構築し、初歩的な作戦能力を形成し始めている。NATOも2019年7月に新宇宙政策によって、宇宙防御システムの構築に著手した。
米國が野心満々で宇宙の軍事利用を推し進める中、他の國々も宇宙作戦能力の構築を推進する緊迫感を日増しに高め、世界的な宇宙軍拡競爭がますます激化することが予想される。こうした動向を注視し続けるべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年6月4日