26日付インド紙「India Today」によると、インドのある男性は救急車を呼べなかったため、やむなく父の遺體を車の屋根に縛り、自ら車を運転し火葬場に送ったという。
これはインドの現狀だ。報道によると、現地人は救急車の不足により、新型コロナウイルスに感染した死者の遺體を火葬場に送るまで6時間弱待たなければならない。火葬場がパンク寸前のため、一部の市民は自宅の庭や農場などで火葬せざるを得なくなっている。
病院のベッドがほぼ埋まり、火葬場がパンク寸前になり、醫療用酸素が不足し、人々が外で遺體を火葬する――インドの感染予防?抑制はほぼ、全面的にコントロールを失っている。25日付米紙「ウォール?ストリート?ジャーナル」は、新型コロナウイルスはインドで「燎原の火のように燃え広がっている」と形容した。
インドの現狀は?
インド保健省が29日に発表したデータによると、インドの累計感染者は1837萬人超で、死者は20萬人超にのぼっている。インドの1日あたり感染者は1週間連続で30萬人を上回っている。首都ニューデリーでは4分に1人が新型コロナウイルスにより死亡している。軍用機と列車も、重癥患者の緊急治療用の酸素ボンベの輸送を始めている。
しかし現実はより厳しい。世界保健機関(WHO)の首席科學者は26日、米CNNのインタビューに応じた際に、インドで現在報告されている感染者數と死者數は「大幅に過小評価されている」と述べ、インドの実際の感染者數は政府発表を20-30倍上回る可能性があると述べた。
インドの感染狀況、世界への影響は?
インドで感染者數が急増しているが、専門家の間ではインドの感染狀況はまだピークに達しておらず、山場はまだ後とする意見が多い。
26日付インド紙「The Times of India」によると、インドの専門家が感染癥數理モデルで予測したところ、インドの感染狀況は5月にピークを迎え、今後10日間の1日平均感染者數が44萬人にのぼる見通しとなった。
コントロール喪失を続けるインドの感染狀況は、インド、南アジア、さらには世界にどのような影響を及ぼすのだろうか。中國現代國際関係研究院南アジア研究所の胡仕勝所長は新華網のインタビューで、「インドの感染狀況は地域全體と世界の感染対策に新たな課題と衝撃をもたらした。これは世界経済全體の回復に対して新たな圧力を形成した」と述べた。