ロンドンを拠點とする経済政策のシンクタンクOMFIF(公式の金融および金融機関フォーラム)のウェブサイトで3日、ドイツのシュレーダー元首相による「外交政策を道徳化 失敗必至」と題する文章が掲載されました。
シュレーダー元首相は文章の中で、「たとえ中國が手を焼く政治パートナーであっても、ヨーロッパ人は米國に中國を貿易冷戦に引きずり込ませてはならない。バイデン政権は中國との関係を『民主と獨裁』といった根本的な対立だと主張しているが、これは道徳化された外交政策であり、一方的に(西洋の)価値観を利益の上に乗せたもので、方針の根本的方向に間違いがある」と記載し、米國を批判しました。また、このような立場が世界規模の試練に対応しきれず、気候変動や、感染癥の蔓延などがすでに國境を超えていることを取り上げたうえで、「これらの試練を克服する唯一の方法は國際社會が共に努力することである」と強調しました。
さらに、「激動と変化で揺れる時期において、安定した國際関係の樹立、自らの利益の擁護に取り組むべきだ」とし、「価値観に基づいた理念は重要ではあるが、外交と経済政策を制定する唯一の基準にしてはならない。われわれは対話に參加し、多國間の枠組みを強化しなければならない。これは最善の協力の方法だ」と指摘しました。
「中國國際放送局日本語版」2021年6月6日