中國共産黨創立100周年祝賀大會の様子(寫真=新華社提供)
2021年7月1日、中國共産黨創立100周年祝賀大會が北京において盛大に挙行された。そのスピーチの中で、習近平総書記は、「1840年のアヘン戦爭の後、中國は次第に半植民地、半封建社會になり、國家は屈辱を受け、人民は塗炭に喘ぎ、文明は塵埃を蒙り、中華民族は未曾有の厄災を蒙った」と述べたが、爾來180年を経て、中國は漸く世界に胸を張る大國へと成長した。180年という年月は6世代を包含するほどだが、その後半の100年間は、まさに中國共産黨が活躍した時代であり、そのまた後半の40年余りで中國は、中國共産黨の指導の下、改革開放という大方針を掲げ、社會主義市場経済體制という斬新な発想で発展を図り、先進諸國をキャッチアップした。巨大な人口を抱えた中國がこのわずかな時間で、情報化社會に突入しさまざまな技術革新を遂げつつあった西側諸國に追いつき、さらには追い越そうとしている事実は、人類史上かつてない畫期的成果と言えよう。このような発展に中國共産黨の強力な指導が欠かせなかったことは何人も否定できない。
一體何がこのような壯挙を可能にしたのだろうか。私は特に二つの點を強調したい。一つは、計畫性である。畫一的な上意下達式の計畫経済への反省から、改革開放以後、中國は五カ年計畫を基軸に、短期?中期?長期の各総合計畫ならびに分野別計畫を、有識者や一般庶民の意見を反映しつつ著実に立案実行してきた。これが今日の成功の土臺になっている。中國の地域発展の歴史はまさにその象徴であり、そのほかにも、科學技術の発展、知財権改革、環境政策、社會保障制度の確立、教育制度の改革など枚挙にいとまがない。
次に、「人民の創造的精神を尊重し、人民を中心とする発展思想を実踐すべきである」と習総書記が述べたように、中國國民に共通する長所である「勇敢に創造に取り組む」フロンティアスピリットを尊重し、引き出し続けたことである。これだけのスピードで発展するにはさまざまな困難があった。90年代末期のWTO加盟直前の勇気ある身を切る改革、2008年のリーマンショックの衝撃、これらの困難に対し、時の指導者はいずれも大膽な改革により民衆の活力を引き出し、これらの困難をさらなる発展の推進ロケットに変えてしまった。中國の発展はまさにこのボトムアップによって擔われたのである。勿論、その過程でさまざまな問題に遭遇することは避けられないが、常にそれにひるむことなく、足を止めず克服してさらなるステップアップへ進んだことは、正面から評価されるべきだ。
習総書記はスピーチの中で、「人類運命共同體の構築を推進し、『一帯一路』共同建設の質の高い発展を推進し、中國の新たな発展によって、世界に新たなチャンスを作り出す」と述べた。「一帯一路」の発展は決して経済的利益のみの追求ではない。中國は、それぞれのルートの起點になる西安や昆明の大學に、少數民族も含む各沿線諸國諸民族の言語?文化の研究室を設け、幅広い文化レベルの交流、さらに、庶民レベルの交流を進めようとしている。この姿勢が堅持されれば、「一帯一路」はまさに「人類運命共同體の構築を推進」するだろうし、「世界に新たなチャンスを作り出す」であろう。
習総書記の提唱する「中華民族の偉大な復興」は決して他國を睥睨するためのものではない。中國5000年の伝統文化、中國の「國度」(國柄)を體現した文化國家を構築し、その獨自の価値を持って、世界の発展に貢獻しようというものである。この姿勢にまちがいはない。
如何なる國にも、その國の立國法があり、如何なる改革発展もその精神を忘れれば、木に竹を接ぐようになる。中華文明の精神を発揚し、「人類運命共同體の構築を推進」しようとする中國の試み、この度の中國共産黨創立100周年がその新たなスタートとなることを期待する。
(三潴正道?麗澤大學名譽教授)
「北京週報日本語版」2021年7月6日