日本の最新調査によると、アジアでは、韓國のテレビドラマと映畫の人気が日本のそれよりはるかにしのぐ。どうして韓國の文化産業は急速に発展しているのだろうか。官民一體の韓國戦略とはどのようなものか。日本大學教授の李克氏は、近年の両國の文化産業輸出分野における競爭を詳細に分析している。
李教授は、中國では今年の「両會」以降、文化産業が今後の重要な発展分野となると言う。
日経新聞の4月19日付記事では、韓流とクールジャパンを比較している。クールジャパンとは、2002年の米國の「フォーリン?ポリシー」誌においてアメリカのジャーナリスト、マクレガー氏が提出した「GNC」(Gross National Cool)という概念に由來する。この論考で同氏は、日本がグルメやアニメ、流行音楽、ファッション、ゲームといった流行分野において大きな國際的影響力を持つとしている。
この概念に基づけば、日本文化産業全般を「クールジャパン」と括ることができる。このクールな日本の産業に関して博報堂が最近、アジアの10都市7千人に対して調査を行った。主な調査內容は、韓流とクールジャパンの比較である。結果は、アジアで日本は韓國に3勝2敗の成績となった。日本はアニメや音楽、化粧?ファッション、ゲームの3分野で韓國より人気がある。しかしテレビドラマと映畫の分野では、韓國に軍配が上がった。日本の文化産業にとっては看過できない事態である。
我々は1980年代、90年代の日本の文化産業がアジアで非常に大きな影響力を持っていたことを知っている。しかし現在、韓國に追い上げられ、その変化はますます大きなものになっている。
韓國の文化産業の隆盛はある意味、韓國が1990年代後半から実施している「文化コンテンツ産業の発展戦略」と直接的関係がある。
1997~98年にアジア金融危機が起きた當時の韓國は、従來の重工業やモノ作り偏重の発展システムだけでは問題が生じる可能性があると考えていた。そこで1998年より、文化産業を國家戦略として位置づける方針に舵を切った。1998年の韓國における文化関係予算は政府予算全體の2.2%だったが、2000年には15.3%に達し、官民一體の運営モデルが確立した。民間においても、文化産業関連の企業は緊密につながっており、発展を後押ししている。輸出額が0.36億ドルだった2000年と比較して、2004年は1.8億ドルと5倍に増加した。以降30~50%の増加率で成長を続けている。
「韓流」を主とするソフトパワー戦略を実現させるため、韓國は官民を挙げて様々な支援を行っている。たとえば2011年において韓國が文化産業のために拠出した予算は日本の2倍であり、民間予算は日本の8倍だ。韓國政府と企業は官民一體モデルを通じて非常に明確な発展戦略を描き、実踐しているのだ。
一般的に彼らの手法は、4つのステップからなる。第一に、輸出相手國に対して映畫やテレビドラマを通じて大衆向けに文化的流行を作り出すこと。第二に大衆文化の流行に韓國のスターたちを結びつけること。第三に、それに対応した生活用品や電気製品を売り出すこと。第四に、文化やライフスタイルを通じて韓國イメージをアップさせ、韓國や韓流に関する各種商品の貿易を拡大すること。
筆者は韓國のこの手法はかなりの成功を収めていると感じる。中國が文化産業を考えていく上で大いに參考になると思われる。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2012年4月26日