商務部國際貿易経済合作研究院の梅新育研究員はこのほど、貿易紛爭をめぐる論考を発表した。主な內容は次の通り。
米國政府は11日、中國産の輸入タイヤ製品を対象とした特別保護措置を実施することを明らかにした。中國も米國原産の輸入自動車製品の一部および食用鶏肉製品を対象として、反ダンピング?反補助金プロセスを発動すると発表した。中國の「ダブル反対措置」の対象製品の輸入額は約20億ドルで、中國産タイヤの対米輸出額にほぼ相當する。こうしたことから、中國の今回の動きは必然的に、米國に対する貿易対抗措置だとみなされている。
米國が今回の措置を取った理由はまったく筋の通らないものであり、措置が保護の対象とする米國のタイヤ産業自身も一貫して反対の態度を示している。中國には米國のこうしたやり方への対抗措置を取るだけの十分な理由がある。中國の対抗措置はそれ自身が目的なのではなく、貿易パートナーの保護主義的傾向を抑制し、ひいてはより安定した國際貿易環境を創出することこそが目的なのだ。
貿易相手國の保護主義勢力が中國に対して貿易紛爭をけしかけ、中國の利益を損ない、相手國自身はこのためにいかなる代償も支払う必要がないとすれば、相手國の國內では保護主義勢力がより多くの人々を引きつけるようになり、対中自由貿易を主張する者は影が薄くなり孤立することになる。中國が対外貿易紛爭で対抗措置を取ることが極めてまれであることから、他國の保護主義勢力は対中貿易で保護措置を提起する場合に、「われわれが中國製品の輸入を制限する以上、中國がわれわれから輸入する製品は減少しないどころか、かえって増加する。それでは、われわれはなぜ中國製品を制限しないのか」という理由を挙げることが多い。だが貿易相手國の國民が対抗措置により「共倒れ」するリスクが現実に存在するということを理解すれば、保護主義勢力の國內での影響力は大きく削がれることになる。今回のタイヤ製品への保護措置はもとより、今年6月にわずか10日間に3回も実施した中國産鉄鋼製品への反ダンピング?反保護措置調査、また中國産繊維製品への周到な攻撃などから、米國における貿易保護主義勢力の臺頭がはっきりとうかがえる。中國にも対抗措置を取ってこうした行為をくい止める必要がある。
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